この記事でわかること
- 一人で遺品整理をする場合に、絶対に無理な作業がわかる
- 業者以外に頼れる先が4つ、費用つきでわかる
- 一人でも進められる作業の順番がわかる
- 人を頼むより業者のほうが安く済む場合がわかる
兄弟がいない、あるいは兄弟はいても遠方だったり非協力的だったりする。配偶者に何度も頼むのも気が引ける。友人に「実家の片付けを手伝って」とは言いにくい。
結局、一人でやるしかない。
そう考えている方に、先に伝えておきたいことがあります。一人でも進められる作業と、一人では物理的に無理な作業があります。ここを分けずに全部一人で抱えると、途中で止まるか、怪我をします。
そして、人手を集めるより業者に頼むほうが安く済む場合が多いことも知っておいてください。

一人では無理な作業
まずここを確認してください。無理をしても状況は良くなりません。
| 作業 | なぜ一人では無理か |
|---|---|
| タンス・食器棚の階段搬出 | 重量と長さで一人では制御できない。転落の危険 |
| 冷蔵庫・洗濯機の運び出し | 100キロ近い。持ち上げるだけでも二人必要 |
| ベッド・ソファの搬出 | 幅があり、一人では角を曲がれない |
| 天袋の荷物出し | 脚立の上で両手がふさがる。支える人が必要 |
| 大型家具の解体 | 押さえながら工具を使うのが一人では困難 |
| 軽トラへの積み込み | 荷崩れを防ぐ固定が一人では難しい |
とくに階段と脚立が危険です。一人で無理をして落ちれば、骨折して数ヶ月動けなくなります。片付けどころではなくなります。
一人でも進められる作業
逆に、これらは一人で十分できます。
- 貴重品の捜索(通帳、印鑑、権利証、保険証券)
- 書類の仕分け
- 写真・アルバムの整理
- 衣類の袋詰め
- 食器・日用品の梱包
- 押し入れの中身の仕分け(下段)
- 仏壇まわりの整理
共通しているのは、判断が要る作業です。そして判断は、そもそも他人には代わってもらえません。
つまり、一人でやるべきなのはこちら側で、人手が必要な運搬作業は外に出すのが合理的です。
業者以外に頼れる先
シルバー人材センター
自治体ごとに設置されており、簡単な運搬や清掃を依頼できます。料金は1時間あたり1,000〜1,500円程度と業者より安いのが特徴です。
ただし制約があります。
- 重量物の運搬や高所作業は断られることが多い
- 廃棄物の運搬はできない(許可がないため)
- 繁忙期は依頼が取れないことがある
「片付けの手伝い」であって「処分」はできないという点に注意してください。
家事代行・便利屋
1時間あたり2,500〜4,000円程度。作業内容の自由度が高く、仕分けの手伝いもしてもらえます。
ただし、こちらも廃棄物の運搬には許可が必要です。処分まで頼む場合は、許可の有無を確認してください。
地域の助け合いサービス
社会福祉協議会が運営する住民同士の助け合い活動があります。料金は1時間数百円と安価ですが、対応内容は限定的です。まず市区町村の窓口に相談してください。
遺品整理業者の部分依頼
大型家具の搬出だけ、2階の荷物を下ろすだけ、というように区切って依頼できます。
人手を時間で買うより、この方法のほうが安く済むことが多くあります。遺品整理業者は搬出に慣れており、3人で入って半日で終わる作業を、素人3人で1日かけることになるからです。
人を集めるより業者が安い理由
仮に友人3人に手伝ってもらうとします。
- 交通費と食事代:一人3,000円×3人=9,000円
- お礼(現金や品物):一人5,000円×3人=15,000円
- 軽トラのレンタル:8,000円
- 処分場の手数料:10,000円
合計約42,000円で、しかも1日では終わらない可能性が高い。
一方、遺品整理業者に2DKを依頼した場合の目安は10万〜25万円ですが、これには処分費も家電リサイクルも含まれます。買取に対応していれば、値のついた分が差し引かれます。
差額を「自分と友人の1日」で埋められるかどうか。それが判断の基準になります。
さらに、友人に手伝ってもらうと、怪我をした場合の責任が曖昧になります。大型家具の搬出で友人が腰を痛めたら、その後の関係にも影響します。
運ぶ部分だけを頼むこともできます。人手を集めるより安く済むことがあります。

一人で進めるときの手順
人手を集められないと決まったら、次の順で進めてください。
① 貴重品を探す
最優先です。通帳、印鑑、権利証、保険証券、年金手帳、督促状。これらが処分品に紛れると後の手続きが止まります。
② 軽いものだけ自分で処理する
衣類、書類、食器、日用品。袋詰めして、粗大ごみに該当しないものから出します。これだけでも見積もりが下がります。
③ 大型家具と家電の数を数える
タンス、食器棚、ベッド、机、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン。この数がそのまま「一人ではできない作業」の量です。
④ その部分だけ見積もりを取る
「大型家具と家電の搬出だけお願いしたい」と伝えれば、その範囲での見積もりが出ます。金額を見てから、全部任せるか部分だけにするかを決めればいい。
日数と費用の比較は実家の片付けは何日かかるかにまとめています。
気持ちの面でも一人はきつい
作業量以上に効くのが、判断を一人で背負うことです。
兄弟がいれば「これ捨てていい?」と聞けます。一人だと、家中の物すべてについて自分で決めることになります。一戸建てなら数千点です。
そして親の私物には正解がありません。捨てていいのか残すべきなのか、誰も教えてくれない状態で判断を続けると、消耗します。
判断を軽くする方法があります。迷ったものは「保留箱」に入れて、決めるのを先送りする。これだけで進みます。詳しくは親の遺品が捨てられないに書いています。
作業員が入っているだけでも、実は判断が進みます。誰かがそばにいると「これは?」と聞かれるので、立ち止まらずに済むからです。
【FAQ】一人での遺品整理についてよくある質問
Q. 兄弟がいるのに手伝ってくれません。
費用の負担については請求できます。作業を強制することはできませんが、業者に依頼して費用を相続財産から出す、あるいは按分して請求する形にできます。着手前に文書で合意しておいてください。
Q. 配偶者に頼むのは気が引けます。
自分の親の家である以上、当然の感覚だと思います。だからこそ、判断が要る部分だけ自分でやって、力仕事は外に出すのが現実的です。
Q. シルバー人材センターに処分まで頼めますか。
できません。廃棄物の運搬には一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。片付けの手伝いまでと考えてください。
Q. 一人で2階のタンスを下ろす方法はありますか。
安全な方法はありません。毛布を使って階段を滑らせる方法が紹介されることがありますが、制御を失うと壁を壊すか怪我をします。やめてください。
Q. 部分依頼だと割高になりませんか。
出張費がかかるので、まとめて依頼したほうが単価は下がります。ただし総額では部分依頼のほうが安く収まります。両方の見積もりを取って比べてください。
まとめ
- 一人では無理なのは、階段搬出、大型家電、脚立の上での作業、軽トラへの積み込み
- 一人でできるのは判断が要る作業。そもそも判断は他人に代われない
- シルバー人材センターや便利屋は手伝いまで。廃棄物の運搬はできない
- 友人3人を集めるより、業者に部分依頼するほうが安く済むことが多い
- 判断を一人で背負うのが、作業量以上にきつい。保留箱で軽くする
まず、大型家具と家電の数を数えてください。それが「一人ではできない作業」の量です。
その部分だけの見積もりを取れば、いくら払えば自分の負担がどれだけ減るかが分かります。全部を一人で抱える必要はありません。
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一人でできない作業の量が分かったら、その部分の金額を確認してください。

