この記事でわかること
- 名義人が死亡していると墓じまいが進まない理由
- 先に必要な承継の手続き
- 承継の申請に期限がある自治体があること
- 名義人が誰か分からない場合
墓じまいをしようとしたら、名義が亡くなった父のままだった。このまま手続きできるのか?
先に結論を書きます。
名義人が死亡していると、返還の手続きに進めません。先に承継の届出をして、名義を生きている人に移す必要があります。
そしてこの承継に期限を設けている自治体があります。八王子市は使用者が亡くなった日から2年以内です。放置していると、そこで詰まります。
名義人が死亡していると墓じまいが進まない理由
| 手続き | 名義人死亡のままだと |
|---|---|
| 改葬許可の申請 | 申請者を誰にするかで止まります |
| 墓所の返還届 | 使用者本人の届出が原則です |
| 埋葬証明の取得 | 管理者が名義の確認を求めます |
| 石材店への発注 | 使用者の承諾を確認されます |
すべての入口で、いまの使用者は誰かを問われます。ここを先に解決しないと、どこにも進めません。

墓じまいの前に、名義人が死亡した場合の承継の手続き
家の中の書類、仏壇の引き出し、金庫。まずこれを見つけます
承継の様式と必要書類を聞きます
相続人の中から、祭祀を主宰する人を決めます
戸籍謄本と住民票が基本です。自治体によって追加があります
受理されると新しい名義になります
八王子市は承継の申請に戸籍謄本と住民票、使用券の再交付手数料200円を求めています。金沢市は墓地返還届に使用証または承継承認証の添付が必要です。霊園ごとの扱いは霊園から探すにまとめました。
何十年も前の書類なので、紛失していることは珍しくありません。再交付の手続きがあるので管理事務所に相談してください。八王子市は200円です。
墓じまいのために承継する人を誰にするか
法律では、墓は相続財産と別の扱いです。民法897条で、祭祀に関する権利は慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継すると定められています。被相続人の指定があればその人が承継し、慣習が明らかでなく協議も調わないときは家庭裁判所が定めます。
出典:民法|e-Gov法令検索
つまり長男でなければならないという決まりはありません。実際に手続きを進める人が承継するほうが実務は早いです。
ただし霊園の規則で承継できる範囲を定めている場合があります。都立霊園は使用者の親族または縁故者とされています。事前に管理事務所へ確認してください。
墓じまいのために名義を引き継ぐことに抵抗がある場合
返すために名義を受け取るのは無駄に思えますが、順番として避けられません。手続きの流れは墓じまいの前の名義変更にまとめました。
承継しても、そのあとすぐ返還の届出を出せます。名義が残り続けるわけではありません。
墓じまいをしたいが名義人が誰か分からない場合
使用許可証が見つからず、誰の名義かも分からないことがあります。
霊園の管理事務所に区画の場所を伝えて照会してください。公営霊園なら記録が残っています。ただし個人情報なので、親族であることを示す戸籍謄本を求められます。
管理料の請求書が誰宛に届いているかも手がかりになります。それも途絶えている場合は、滞納の可能性があります。放置した場合に何が起きるかは墓じまいをしないとどうなるかに書きました。
墓じまいで名義人が死亡している場合のよくある質問
- 承継しないまま返還できませんか?
原則できません。使用者の届出が必要なので、先に名義を移します。
- 相続放棄をしていても承継できますか?
墓は相続財産と別の扱いです。相続放棄をしていても祭祀の承継はできます。
- 承継の手数料はいくらですか?
無料の自治体もあれば、使用券の再交付として数百円かかるところもあります。
- 複数の相続人で揉めています
協議が調わない場合は家庭裁判所が定めます。ただしその前に話し合いで決まる例がほとんどです。
まとめ
- 名義人が死亡していると返還手続きに進めない。先に承継の届出が要る
- 八王子市は死亡日から2年以内という期限がある。放置すると詰まる
- 承継する人は長男とは限らない。民法897条は慣習と協議による
- 相続放棄をしていても祭祀の承継はできる
墓じまいをする方は同時に実家じまいを検討することも多いです。お墓の撤去費用をいくらまで出せるかを決めるには、先に、今実家を売るとすればいくらになるのかを知っておくと良いです。売ると決めていなくても、金額を調べるだけなら無料でできます。

