この記事でわかること
- 手が止まる原因が4つの型に分かれることがわかる
- 型ごとの外し方がわかる
- 今日15分でできることがわかる
- 進めなくてもいい場合の判断がわかる
実家に行ったのに、何も片付けられずに帰ってきた。二度目もそうだった。
まず書いておきます。それは普通のことです。
遺品整理が進まないのは、意志が弱いからではありません。量の問題でもありません。 1つひとつに判断が必要で、その判断が重いからです。
服を捨てるかどうかを決めるのに、普通の引っ越しなら3秒で済みます。親のものだと、そうはいきません。1日に下せる判断の数には限りがあります。
今日できることのひとつが、見積もりを1件申し込むことです。頼むかどうかは金額を見てから決められます。

手が止まる4つの型
自分がどれに当たるかで、外し方が変わります。
| 型 | 症状 | 外し方 |
|---|---|---|
| 感情型 | 手に取ると動けなくなる | 判断の要らない物から始める |
| 判断型 | 捨てていいか分からない | 保留の箱を作る |
| 物量型 | どこから手をつけるか分からない | 部屋を1つに区切る |
| 時間型 | 行く時間が取れない | 通うのをやめる |
複数が重なっているのが普通です。ただ、いちばん強いものから外してください。
1 感情型
写真、手紙、日記、親が使っていたもの。手に取ると、そこで止まる。
外し方は、順番を変えることです。
判断の軽いものから始めてください。
判断が軽い(先にやる)
・食品、調味料、洗剤などの消耗品
・タオル、シーツ、下着
・古い雑誌、チラシ、包装紙
・空き箱、紙袋
・壊れている家電
判断が重い(最後に回す)
・写真、アルバム
・手紙、日記
・仏壇まわり
・親が身につけていたもの
家の中が目に見えて片付くと、続けられるようになります。逆に、いちばん重いものから始めると初日で止まります。
2 判断型
捨てていいのか分からない。あとで必要になるかもしれない。兄弟に聞くべきかもしれない。
外し方は、決めないことです。
保留の箱を作ってください。迷ったら中身を見ずに入れる。それだけです。
- 段ボール3箱まで、と上限を決める
- 3箱を超えたら、その中で選び直す
- 最後に残ったものは持ち帰る
「今日決める」をやめると、手が動きます。
そして、捨ててはいけないものだけ先に確保してください。通帳、権利証、保険証券、印鑑、現金、貴金属。これらを別にしておけば、あとは取り返しがつきます。
捨てて後悔しやすいものは遺品の捨てて後悔したものにまとめています。
3 物量型
家全体を見渡して、どこから手をつけるか分からなくなる。
外し方は、視界を狭めることです。
- 今日は1部屋だけ
- その部屋の、押し入れの下段だけ
- そこにあるものを、袋に入れるか保留箱に入れるかだけ決める
部屋全体を見ないでください。見ると止まります。
そして、ごみ袋を先に用意してください。袋がないと、判断しても行き場がありません。自治体の指定袋、45リットルを最低20枚。これだけで進み方が変わります。
4 時間型
仕事があって行けない。行っても数時間しかいられない。
外し方は、通うのをやめることです。
週末だけの片付けは、最後まで終わらないことが多くあります。理由があります。
- 移動で1日の大半が消える
- 前回どこまでやったかを思い出すのに時間がかかる
- 粗大ごみの回収日に合わせられない
- 気持ちの立ち上げを毎回やり直すことになる
片道3時間以上かかる場所なら、通うより業者に頼んだほうが総額で安く済むことがほとんどです。交通費、宿泊費、有給、体力。これらを金額に換算すると逆転します。
計算のしかたは遺品整理を業者に頼むか自分でやるかにまとめています。
背負うべきなのは判断だけです。運ぶ、分別する、処分するところは任せられます。

今日15分でできること
家に行かなくてもできることがあります。
- 自治体のごみの出し方を調べる(粗大ごみの申し込み方法、1回の点数上限、収集日)
- 指定のごみ袋を買う
- 兄弟に「◯月◯日から始める」とだけ伝える
- 遺品整理の見積もりを1件だけ申し込む
- 保留の箱に使う段ボールを用意する
5つのうち1つでいいです。
そして、見積もりを取ることは、業者に頼むことを意味しません。金額を知ってから、自分でやるか決められます。
進めなくてもいい場合
急がなくていい状況もあります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 持ち家で、誰も住まない | 急ぐ理由は薄い。ただし維持費はかかる |
| 賃貸で退去期限がある | 急ぐ。家賃が発生し続ける |
| 相続放棄を検討している | 動かないほうがいい。3ヶ月の期限に注意 |
| 家を売る予定がある | 税制の期限がある。逆算が必要 |
| 近隣から苦情が来ている | 早く動く |
賃貸は待ってくれません。解約するまで家賃が発生します。期限の考え方は賃貸で親が亡くなったときいつまでに片付けるかにあります。
相続放棄を考えているなら、逆に何も触らないでください。処分すると放棄ができなくなることがあります。相続放棄する前に遺品に触っていいかにあります。
誰かに任せていい
自分でやることが供養になる、と考える必要はありません。
背負うべきなのは判断だけで、作業は任せられます。
- 何を残すかを決めるのは自分
- 運ぶ、分別する、処分するのは業者
- 立ち会わなくても頼める
そして、費用は原則として相続財産から支払うものです。自分の財布から出すものではありません。出どころは遺品整理の費用が払えないときの4つの方法にまとめています。
【FAQ】遺品整理が進まないときのよくある質問
Q. どのくらいで終わるものですか。
一戸建てで実働10〜20日が目安です。週末だけだと数ヶ月かかります。
Q. 何度行っても進みません。
通う方式が合っていない可能性があります。まとめて1回で終える方法に切り替えてください。
Q. 兄弟が手伝ってくれません。
作業を分担させるより、費用の負担で調整するほうが現実的です。
Q. 業者に頼むと後悔しませんか。
「大事なものは残して」では伝わりません。何を残すか具体的に指示すれば、後悔は減ります。
Q. 気持ちの整理がつくまで待ってもいいですか。
賃貸や期限がある場合を除けば、待って構いません。ただし、待つ間も費用は出続けます。
まとめ
- 進まないのは意志の問題ではない。1日に下せる判断の数に限りがあるから
- 手が止まる型は4つ。感情、判断、物量、時間
- 判断の軽いものから始める。写真と手紙は最後に回す
- 迷ったら保留の箱へ。今日決めることをやめると手が動く
- 背負うべきなのは判断だけ。作業は任せられる
今日は家に行かなくて構いません。自治体のごみの出し方を調べるか、ごみ袋を買うか、見積もりを1件申し込む。どれか1つで十分です。
そして、賃貸か、相続放棄を検討しているか。この2つだけは先に確認してください。 期限があるのはここだけです。
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費用は相続財産から出すものです。まず、いくらかかるのかを確かめてください。

