この記事でわかること
- 鍵を誰が持つべきかの考え方がわかる
- 兄弟で交わしておく取り決めの文例がわかる
- 業者に鍵を預けるときの注意点がわかる
- 鍵が見つからない場合の対応がわかる
葬儀が終わって、実家に鍵をかけて帰ってきた。その鍵を誰が持つのか、決めていない。
小さなことに見えますが、あとで揉める原因になります。
先に、考え方を書きます。
鍵は「誰が持つか」より「誰が入ったかが分かる状態」が重要です。
1人が持って他の兄弟が入れないと、不信につながります。逆に、全員が自由に出入りできると、何がなくなったのかが分からなくなります。

揉める理由
「知らない間に何かを持ち出された」という疑いが生まれます。
実際に持ち出したかどうかとは関係なく、確認できないこと自体が問題になります。
- 通帳や現金が見当たらない
- 貴金属がなくなっている
- 誰かが先に形見を選んだのではないか
そして、この疑いは証明も否定もできません。だから取り決めが要ります。
決めておく5つ
1 誰が鍵を持つか
- 近くに住んでいる人
- 主に手続きを進める人
- 複数人が持つ場合は、全員を明記する
2 入るときは事前に共有するか
「入る前にグループで一報を入れる」という形が多く使われています。
3 何かを持ち出すときのルール
持ち出す前に写真を撮って共有する。これだけで、ほとんどの問題が防げます。
4 業者や第三者に渡す場合の扱い
いつ、誰に、何のために渡したかを共有します。
5 いつ返すか、いつ処分するか
売却して引き渡すとき、鍵をすべて買主に渡します。合鍵が何本あるかを把握しておいてください。
取り決めの文例
長い書式は要りません。メールやメッセージで構いません。
実家の鍵の管理について
・実家(◯◯)の鍵は、◯◯が保管します
・合鍵は全部で◯本あります(◯◯が◯本、◯◯が◯本)
・実家に入るときは、事前にこのグループに一報を入れます
・物を持ち出すときは、写真を撮って共有します
・業者に鍵を預ける場合は、事前に全員に伝えます
・売却または引き渡しの際に、すべての鍵を集めます
◯年◯月◯日
これを送っておくだけで、あとの話がまったく違います。
そして、片付けを始める前に部屋ごとの写真を撮って共有してください。鍵の取り決めと合わせると、疑いが生まれにくくなります。防ぎ方は兄弟の遺品を勝手に処分するとトラブルになるかにまとめています。
合鍵が何本あるか分からない場合
古い家では、合鍵が何本作られたか把握できていないことがあります。
- 兄弟がそれぞれ持っている
- 隣家や親戚に預けてある
- ヘルパーや介護事業者が持っていた
- 借家人がいた時期のものが残っている
介護サービスを利用していた場合、事業者が鍵を預かっていることがあります。契約の終了とあわせて返却を受けてください。
心配なら、鍵を交換してください。
- シリンダーの交換で1万〜3万円程度
- 誰も住んでいない家で、鍵の所在が不明なのは防犯上の問題です
- 家を売る場合、買主から交換を求められることもあります
鍵が見つからない場合
1 家の中を探す
玄関の靴箱、仏壇の引き出し、タンスの最上段、財布の中、車の中。
2 親族や近隣に聞く
隣家に預けてあることがあります。
3 鍵屋に依頼する
- 開錠のみで数千円から2万円程度
- シリンダー交換を含めると数万円
- 所有者であることを証明できる書類が必要です
持ち物
- 本人確認書類
- 相続人であることが分かるもの(戸籍謄本など)
- 固定資産税の納税通知書、登記事項証明書など
業者は所有権を確認します。これがないと開錠を断られます。

業者に鍵を預けるとき
遺品整理や解体を依頼する場合、鍵を渡すことになります。
確認すること
- 誰が受け取るのか(担当者名)
- 保管の方法
- 作業後にいつ、どう返すのか
- 紛失した場合の責任
- 作業中に第三者が入らないか
遠方の場合、郵送で渡す方法もあります。
- 追跡できる方法で送る
- 作業後は同じ方法で返送してもらう
- 現地の不動産会社やキーボックスを使う方法もある
立ち会わずに頼む手順は立ち会いなしで遺品整理を頼めるかにまとめています。
相続放棄を検討している場合
鍵を持つこと自体は、単純承認にはあたりません。
ただし、家の中の物を動かすと問題になります。鍵を管理するだけにとどめてください。
そして、放棄した場合でも、現に占有しているときは次に管理する人が決まるまで保存義務が残ることがあります。鍵を持ち続けることが占有と見られる可能性もあるため、専門家に確認してください。
線引きは相続放棄する前に遺品に触っていいかにあります。
家を売るとき
鍵をすべて集めてください。
引き渡しの際、買主に鍵を渡します。本数と、どの鍵がどこのものかを整理しておいてください。
- 玄関
- 勝手口
- 物置、車庫
- 門扉
- 郵便受け
- 雨戸、窓の補助錠
本数が足りない、所在が不明な鍵がある場合は、買主に伝えてください。隠すと問題になります。交換費用を負担することもあります。
【FAQ】実家の鍵についてよくある質問
Q. 兄弟が鍵を渡してくれません。
相続財産は全員の共有です。話し合いで解決しない場合、弁護士に相談してください。
Q. 合鍵を勝手に作ってもいいですか。
作ること自体は可能ですが、全員に伝えてください。黙って作ると不信につながります。
Q. 遠方で管理できません。
近くに住む親族に預けるか、空き家の管理サービスを使う方法があります。
Q. 空き家に誰かが入った形跡があります。
警察に相談し、鍵を交換してください。近隣にも状況を伝えてください。
Q. 鍵屋を呼ぶのに立ち会いは必要ですか。
必要です。所有者であることを確認するためです。
まとめ
- 「誰が持つか」より「誰が入ったかが分かる状態」が重要
- 決めるのは5つ。保管者、入るときの連絡、持ち出しのルール、業者への受け渡し、返却の時期
- 取り決めはメールで構わない。残っていることが重要
- 合鍵の本数が不明なら、鍵の交換を検討する(1万〜3万円程度)
- 鍵が見つからない場合、開錠には所有者であることを示す書類が要る
まず、合鍵が何本あるかを確認してください。介護事業者や隣家が持っていることがあります。
そして、短い取り決めを兄弟に送っておいてください。入るときの一報と、持ち出すときの写真。この2つだけで、あとの疑いはほとんど生まれません。
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