この記事でわかること
- 一軒家の遺品整理にかかる総額の目安がわかる
- マンションにはない、戸建て特有の加算項目がわかる
- 見積もりが上振れする原因が4つわかる
- 総額を下げるための具体的な手がわかる
実家が一軒家で、部屋数も多く物置も庭もある。遺品整理を頼むといくらになるのか、見当がつかない。
目安は20万円から50万円程度です。ただし、この幅の中に収まらないことがよくあります。物が多い家、庭や物置がある家、2階建てで階段が急な家では、80万円を超えることもあります。
理由ははっきりしています。一軒家には、マンションにはない加算項目があるからです。そこを知らずに間取りだけで相場を調べると、見積もりを見て驚くことになります。

一軒家の費用の内訳
| 費目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 基本作業費 | 仕分け・搬出・積み込みの人件費 | 総額の4〜5割 |
| 処分費 | 廃棄物の運搬と処分 | 総額の3〜4割 |
| 家電リサイクル料 | エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機 | 1台数千円+運搬料 |
| 車両費 | トラックの手配 | 台数分 |
| 特殊品目 | 仏壇、金庫、ピアノ、危険物 | 品目ごとに別途 |
| 庭・外構 | 庭木、物置、車、農機具 | 内容による |
| 清掃 | 作業後の簡易清掃 | 含む業者と含まない業者がある |
総額の7〜8割は人件費と処分費です。つまり、物の量と搬出の手間がそのまま金額になります。
戸建て特有の加算項目
マンションの相場を見て「うちは4LDKだからこのくらい」と考えると、必ず外します。戸建てにはこれが乗ります。
物置・納屋
古い家の物置には、灯油缶、ペンキ、農薬、肥料、古タイヤ、バッテリーが残っていることがよくあります。これらは通常の廃棄物として処理できず、引き取り先が別になります。1点ずつ費用が乗ります。
庭木・植木鉢・庭石
庭木の伐採と抜根、植木鉢の土、庭石。土と石は重量があるので、体積の割に処分費が高くなります。庭だけで5万〜20万円になることがあります。
車・バイク・自転車
名義変更や廃車の手続きが必要です。業者が代行する場合は手数料が乗ります。
農機具・作業機械
耕運機、草刈機、チェーンソー。燃料が残っていると、抜いてからでないと処分できません。
屋根裏・床下収納
マンションにはない収納です。布団、季節物、古い家具が眠っていることが多く、量が読めません。
2階からの搬出
エレベーターがないため、大型家具は階段で下ろします。人数が必要になり、養生も厳重にする必要があります。階段が急な古い家では、さらに人手がかかります。
前面道路の狭さ
トラックを家の前に停められないと、離れた場所から手運びになります。往復のぶん人件費が増えます。
見積もりが上振れする4つの原因
- 押し入れと物置を開けていない
見積もりのときに中を見ていないと、当日「思ったより多い」となります。必ず全部開けて見てもらってください。
- 家電4品目が含まれていない
別料金の業者が多くあります。4品目そろっていれば1万円以上の差になります。
- 危険物が後から出てくる
灯油、ペンキ、消火器、農薬。物置の奥から出てくると、その場で追加になります。
- 庭が範囲に入っていない
「建物内のみ」の見積もりだったことに、当日気づくケースがあります。庭木や物置を含むかを必ず確認してください。
見積もりの比べ方は遺品整理の見積もりが3社でバラバラ、どれが正しいかにまとめています。
戸建ては加算が多いぶん、業者間の差も大きくなります。3社取ると10万円以上開くこともあります。

総額を下げる5つの手
- 買取で相殺する
一軒家は、マンションより値のつく物が多く眠っています。着物、和食器、掛け軸、古い工具、農機具、切手、カメラ、時計。
捨てる前に一度見てもらってください。数万円下がることがあります。詳しくは遺品整理は買取の相殺で安くなるかにまとめています。
- 軽いものを先に自分で処分する
衣類、書類、食器、日用品。判断が要らないものを先に減らしておくと、見積もりが下がります。ただし、大型家具や家電に手を出す必要はありません。危険なうえ、業者に任せたほうが効率的です。
- 家電4品目を先に処理する
家電販売店で新しい物を買うときに引き取ってもらう、あるいは自治体の指定引取場所に自分で持ち込む。運搬料が浮きます。
- 繁忙期を外す
年末年始、3月から4月、お盆前後は依頼が集中します。時期をずらせるなら、閑散期のほうが安くなることがあります。
- 相見積もりを取る
一軒家は金額が大きいぶん、業者間の差も大きくなります。10万円以上の差がつくことも珍しくありません。3社が目安です。
建物を解体する予定なら順番に注意
実家を売却または解体する予定があるなら、順番が費用を左右します。
解体する場合
建物ごと壊すなら、家財を残したまま解体できる場合があります。ただし、解体業者が家財を処分すると産業廃棄物として扱われ、遺品整理より割高になることがあります。どちらが安いかは両方の見積もりを取って比べてください。
売却する場合
残置物があるまま売れるケースと、空にしないと売れないケースがあります。買取業者なら残置物ごと引き取ることもあります。
売却前にどこまで片付けるべきかは、査定を取ってから判断したほうが確実です。
【FAQ】一軒家の遺品整理費用についてよくある質問
Q. 部屋数が同じなら、マンションと戸建てで費用は同じですか。
違います。戸建ては物置、庭、屋根裏、2階からの搬出が加わるため、同じ部屋数でも1.5倍程度になることがあります。
Q. 空き家になって何年も経っています。費用は上がりますか。
上がることがあります。湿気でカビが発生していたり、動物が侵入していたりすると、清掃や駆除が必要になります。
Q. 庭の木だけ残すことはできますか。
できます。作業範囲を区切って依頼できるので、見積もりの段階で伝えてください。
Q. 仏壇はどう扱われますか。
閉眼供養を寺院に依頼してから処分するのが一般的です。業者が供養まで手配することもあります。費用は数万円が目安です。
Q. 現地に行けなくても依頼できますか。
できます。立会いなしで対応する業者があります。鍵の受け渡しと写真報告の方法を確認してください。立ち会いなしで遺品整理を頼める業者の探し方にまとめています。
まとめ
- 一軒家の遺品整理は20万〜50万円が目安。物が多ければ80万円を超えることもある
- 総額の7〜8割は人件費と処分費。物の量と搬出の手間がそのまま金額になる
- 戸建て特有の加算は、物置、庭、屋根裏、2階からの搬出、前面道路の狭さ
- 上振れの原因は、押し入れ・物置を見ていない、家電4品目、危険物、庭の扱い
- 下げる手は、買取の相殺、軽い物の先出し、家電の先処理、時期をずらす、相見積もり
まず、見積もりを取るときに押し入れ、物置、屋根裏、床下収納を全部開けて見てもらってください。ここを見ずに出た金額は、当日必ず上振れします。
そのうえで、庭と家電4品目が含まれているかを確認する。この2点を揃えれば、3社の金額を正しく比べられます。
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押し入れも物置も屋根裏も開けて見てもらってください。そこを見ずに出た金額は必ず上振れします。

