この記事でわかること
- 遺品整理費用が買取でどこまで下がるのかがわかる
- 値がつくものと、つかないものが具体的にわかる
- 買取を頼むときに損をしない手順がわかる
- 「買取します」を謳う業者の見分け方がわかる
遺品整理の見積もりを見て、金額に手が止まっている。そんなとき、家の中に値のつく物が残っている可能性を見落としている人が多くいます。
遺品整理業者の多くは買取にも対応していて、値のついた物の金額を作業費から差し引きます。これを相殺といいます。
効果はケースによりますが、数万円下がるのはよくあることです。着物や骨董がまとまってあれば、10万円以上動くこともあります。
そして重要なのは、捨ててしまったら二度と戻らないということです。片付けを始める前に、一度見てもらう価値があります。
買取に対応しているかどうかは業者によって違います。最初に伝えておけば査定してもらえます。

値がつくもの
| 品目 | 補足 |
|---|---|
| 着物・帯 | 状態が良ければまとまった額に。作家物や大島紬などは高い |
| 和食器・洋食器 | 未使用の贈答品、作家物、ブランド食器 |
| 掛け軸・書画・骨董 | 真贋の判断が要る。専門の査定が必要 |
| 電動工具・大工道具 | 需要が高く、動作すれば値がつく |
| 農機具 | 耕運機、草刈機。動作品は特に |
| カメラ・レンズ | フィルムカメラも対象。古いレンズに人気がある |
| 時計 | 動かなくても機械式なら値がつく |
| 貴金属・宝飾品 | 壊れていても金・プラチナとして評価される |
| 切手・古銭・記念硬貨 | 額面以上になることがある |
| ブランドバッグ・財布 | 状態次第 |
| 楽器 | ギター、和楽器など |
| 古い家具(アンティーク) | 桐箪笥、時代箪笥など |
見落とされやすいのが、工具と農機具、そして切手です。「使わないから」と捨てられがちですが、中古市場では需要があります。
古い家、一軒家、長く住んでいた家ほど、値のつく物が眠っている確率が上がります。
値がつきにくいもの
期待しすぎないために、こちらも書いておきます。
- 量産品の家具(既製品のタンス、カラーボックス)
- 一般的な食器、調理器具
- 衣類(着物を除く)
- 布団・寝具
- 大型家電の古い型(10年以上前のもの)
- 本・雑誌(一部の専門書や初版本を除く)
- 仏具(一部の金仏具を除く)
家の中の物の大半は、ここに入ります。だからこそ、値がつくものを見落とさないことが大事になります。
どのくらい下がるのか
現実的な感覚を書きます。
| 家の状況 | 相殺の目安 |
|---|---|
| 一般的なマンション、量産品中心 | 0〜2万円 |
| 一軒家、工具や食器が多い | 2〜5万円 |
| 着物が大量にある家 | 5〜15万円 |
| 骨董・美術品がある家 | 数十万円になることも |
多くのケースは数万円です。ただ、20万円の見積もりが15万円になれば、それだけで意味があります。
まれに、買取額が作業費を上回って差額を受け取るケースもあります。ただし、それを期待して計画を立てるべきではありません。
損しない頼み方
① 捨てる前に見てもらう
これが最重要です。自分で「価値がない」と判断して処分してしまうと、そこで終わりです。
とくに、着物、工具、切手、カメラは素人判断で捨てられやすい品目です。段ボールにまとめて残しておいてください。
② 見積もりの段階で買取を伝える
「買取もお願いしたい」と最初に言ってください。買取を行っていない業者もありますし、行っていても言わないと査定しないことがあります。
③ 買取額を別記してもらう
見積書に「作業費」と「買取額」と「差し引き後の支払額」が分かれて書かれているのが理想です。
まとめて「一式」で書かれていると、いくら値がついたのか検証できません。
④ 高価そうなものは別に査定する
骨董、美術品、貴金属、ブランド品。これらは専門業者のほうが高く評価することがあります。
遺品整理業者の買取は「まとめて引き取る代わりに、費用を下げる」という性質です。個別の最高値を出す仕組みではありません。
明らかに価値がありそうな物が1〜2点なら、先に専門店で査定を取ってから遺品整理を依頼するほうが得です。
⑤ 古物商許可の有無を確認する
買取を業として行うには、古物商許可が必要です。許可なく買取をする業者は法令違反です。見積もりの段階で確認してください。
「買取します」を謳う業者の注意点
買取額を大きく見せて、作業費を上げる
「買取10万円」と提示しながら、作業費が相場より10万円高いという構造があり得ます。差し引き後の金額で比べてください。
無料回収と称して後から請求する
「不用品を無料で引き取ります」と言いながら、作業後に高額な作業費を請求する事例が報告されています。見積書を書面で出さない業者は避けてください。
査定額を作業当日まで出さない
事前に概算も出せない業者は、当日の言い値になります。写真を送れば概算は出せるはずです。
差し引き後の金額で比べてください。作業費だけを見ると判断を誤ります。

買取に出す前にやること
① 貴重品と混ぜない
通帳、印鑑、権利証、保険証券。これらは買取の対象ではありませんが、混ざったまま渡すと紛失のもとです。先に抜いてください。
② 兄弟に確認する
値のつく物は、あとから「あれはどうしたのか」と言われやすい品目です。着手前に、貴金属や骨董が出た場合の扱いを決めておいてください。
決め方は形見分けで揉めないための決め方にまとめています。
③ 写真を撮っておく
何を買取に出したか、記録が残ります。査定額に納得できなかった場合の判断材料にもなります。
④ 相続放棄を考えているなら手を付けない
売却も処分と同じく、相続財産を処分した行為とみなされる可能性があります。買取に出した時点で相続放棄ができなくなることがあります。
借金の可能性があるなら、判断を先に済ませてください。線引きは相続放棄をする前に、遺品に触っていいのかにあります。
【FAQ】遺品整理の買取についてよくある質問
Q. 買取だけを頼むことはできますか。
できます。ただし出張査定の対象になるかは業者次第です。量が少ないと出張してもらえないこともあります。
Q. 査定額に納得できない場合、断れますか。
断れます。買取だけ断って、片付けだけ依頼することも可能です。
Q. 立会いなしでも買取してもらえますか。
できます。値がついた物は写真とリストで報告され、費用から差し引かれるのが一般的です。ただし査定に納得できるか確認しづらいので、高価そうな物がある場合は別途専門業者に見てもらう選択もあります。
Q. 着物はどのくらいの値がつきますか。
状態と種類で大きく変わります。正絹で状態が良いもの、作家物、産地の分かる紬などは評価されます。ウールやポリエステルの普段着はほとんど値がつきません。
Q. 買取額に税金はかかりますか。
生活用動産の譲渡は原則として非課税です。ただし、1点30万円を超える貴金属や美術品は課税対象になることがあります。金額が大きい場合は税理士に確認してください。
まとめ
- 遺品整理業者の多くは買取に対応し、値のついた分を作業費から差し引く
- 値がつきやすいのは着物、工具、農機具、カメラ、時計、貴金属、切手
- 相殺の目安は数万円。着物や骨董がまとまってあれば10万円以上動くこともある
- 捨てる前に見てもらう。素人判断で処分すると、そこで終わり
- 買取額を別記してもらい、差し引き後の金額で業者を比べる
まず、家の中に着物、工具、カメラ、切手がないか探してみてください。この4つは捨てられやすく、しかも値がつきやすい品目です。
そのうえで、見積もりを取るときに「買取もお願いしたい」と伝える。言わなければ査定されません。差し引き後の金額を見てから、依頼するかどうかを決めれば十分です。
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捨てる前に一度見てもらう。それだけで数万円変わることがあります。

