この記事でわかること
- 遺品整理そのものを補助する制度がほぼ存在しない理由がわかる
- 代わりに使える可能性がある制度が4つわかる
- 自治体に問い合わせるときの聞き方がわかる
- 補助金より確実に費用を下げる方法がわかる
遺品整理の見積もりが想定より高かった。自治体に補助制度はないだろうか。
先に、正直なところを書きます。
遺品整理そのものを対象にした補助金は、ほとんどの自治体に存在しません。探しても見つからないのは、検索の仕方が悪いのではなく、制度自体がないからです。
理由は明確で、遺品整理は個人の財産処分にあたるためです。行政が費用を負担する性質のものではないと整理されています。
ただし、周辺には使える制度がいくつかあります。そちらを確認するほうが現実的です。

使える可能性がある4つの制度
① 粗大ごみ手数料の減免
これがもっとも現実的です。
生活保護受給世帯、非課税世帯、高齢者のみの世帯などを対象に、粗大ごみの収集手数料を減免している自治体があります。
対象と条件は自治体ごとに違います。市区町村の廃棄物対策課に問い合わせてください。
ただし、減免されるのは自治体が回収する分の手数料だけです。業者に依頼する費用は対象外です。
② ごみ出し支援(ふれあい収集)
高齢者や障害のある方の世帯を対象に、玄関先まで職員がごみを回収に来る制度です。多くの自治体にあります。
遺品整理そのものには使えませんが、片付けを自分で進める場合の負担は減ります。
③ 空き家の解体補助金
建物を解体する場合、老朽危険空き家の除却に対して補助金を出す自治体があります。10万〜100万円程度が支給されることがあります。
遺品整理には使えませんが、家ごと壊す予定なら大きな金額です。
注意点があります。多くの制度で、申請は契約前・着工前が条件です。解体業者と契約したあとでは対象外になります。順番を間違えないでください。
制度の詳細は空き家の解体費用の補助金はいくらかにまとめています。
④ 生活保護の葬祭扶助
生活保護を受けていた方が亡くなった場合、葬祭を行う人に支給されます。
ただし、対象は遺体の搬送、火葬、納骨などの葬儀費用のみです。遺品整理や原状回復は含まれません。
ここを誤解している人が多いところです。詳しくは生活保護を受けていた親が死亡、部屋の片付け費用は誰が払うかに書いています。
自治体への聞き方
電話1本で終わります。窓口は市区町村の廃棄物対策課、または環境課です。
聞くのは4つです。
- 遺品整理や引越しで大量に出る家財を、粗大ごみとして出せますか。1回の上限は何点ですか
- 粗大ごみ手数料の減免制度はありますか。対象は誰ですか
- 処分場への自己搬入はできますか。受付日と受付時間を教えてください
- 遺品整理や空き家の片付けに使える補助制度はありますか
1番と3番が実は重要です。補助金がなくても、自己搬入ができれば処分費が下がります。
逆に「大量排出は業者へ」と言われたなら、その時点で自力での処分という選択肢が消えます。先に確認しておくほうが確実です。
粗大ごみの制約は遺品の粗大ごみは何個まで出せるかにまとめています。
補助金より確実に費用を下げる方法
制度を探す時間があるなら、こちらのほうが効果があります。
① 買取で相殺する
値のついた物の金額が作業費から差し引かれます。数万円下がることは珍しくありません。着物や骨董がまとまってあれば10万円以上動くこともあります。
補助金を探すより、こちらのほうが確実で金額も大きいのが実情です。詳しくは遺品整理は買取の相殺で安くなるかにまとめています。
② 相見積もりを取る
同じ部屋でも業者によって金額が変わります。3社取れば、10万円以上の差がつくこともあります。
③ 軽いものを先に自分で処分する
衣類、書類、食器、日用品。判断が要らないものを減らせば、見積もりが下がります。
④ 家電4品目を先に処理する
家電販売店で引き取ってもらう、あるいは指定引取場所に自分で持ち込む。運搬料が浮きます。
⑤ 繁忙期を外す
年末年始、3〜4月、お盆前後は依頼が集中します。時期をずらせるなら安くなることがあります。
制度を探すより、買取の相殺と相見積もりのほうが確実に金額が下がります。

保険を確認するほうが早い
補助金より、保険のほうが金額が大きくなることがあります。
大家が加入している孤独死保険
賃貸で発見が遅れた場合、大家が加入している少額短期保険から原状回復費用が補填されることがあります。相続人への請求額が下がります。
管理会社に一言聞くだけです。詳しくは孤独死の少額短期保険は片付け費用に使えるかにまとめています。
故人が加入していた火災保険
借家人賠償責任の特約が付いていれば、部屋の損害に対する補償が受けられる場合があります。
「補助金があります」と言う業者に注意
一部に、補助金を使えると謳って集客する業者がいます。
遺品整理に直接使える補助金はほぼ存在しません。そう説明する業者があれば、何の制度なのかを具体的に確認してください。制度名と自治体名を出せない場合は疑ってかかるべきです。
解体補助金の話を、遺品整理の補助金であるかのように説明しているケースもあります。制度が違います。
【FAQ】遺品整理の補助金についてよくある質問
Q. 本当にどの自治体にもありませんか。
ごく一部に、高齢者世帯や生活困窮世帯を対象とした片付け支援を行っている自治体があります。ただし全国的には例外的です。住んでいる自治体ではなく、実家のある自治体に確認してください。
Q. 社会福祉協議会に支援はありますか。
住民同士の助け合い活動として、簡単な片付けを低額で行っている地域があります。ただし大量の家財処分には対応できません。市区町村の窓口に相談してください。
Q. 相続税の計算で控除できますか。
葬式費用は債務控除の対象になりますが、遺品整理費用は原則として対象外とされています。金額が大きい場合は税理士に確認してください。
Q. 空き家バンクに登録すると補助がありますか。
自治体によっては、空き家バンク登録物件の片付けや改修に補助を出しているところがあります。売却や賃貸を前提とした制度なので、条件を確認してください。
Q. 解体補助金はいつ申請すればいいですか。
契約前・着工前が原則です。業者と契約したあとでは対象外になる自治体がほとんどです。解体を決めたら最初に自治体へ相談してください。
まとめ
- 遺品整理そのものを対象にした補助金は、ほとんどの自治体に存在しない
- 使える可能性があるのは、粗大ごみ手数料の減免、ごみ出し支援、空き家の解体補助金、葬祭扶助
- 解体補助金は契約前・着工前の申請が原則。順番を間違えると対象外になる
- 自治体には、粗大ごみの上限と自己搬入の可否も一緒に聞く
- 補助金を探すより、買取の相殺と相見積もりのほうが確実で金額も大きい
制度を探して時間を使うより、まず見積もりを取ってみてください。買取を含めた金額を見れば、想定より下がることがあります。
そのうえで、実家のある自治体に電話して粗大ごみの扱いを確認する。この2つで、現実的にできることはほぼ尽きます。
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補助金がなくても、比べれば下がります。まず金額を知ってください。

