この記事でわかること
- 更地にするとは、どこまで撤去することか
- 基礎とカロートを残せるのかどうか
- 霊園によって原状回復の基準が違うこと
- 更地の費用が想定より増える場合
墓じまいの見積もりに「更地にして返還」と書かれている。どこまでやれば更地なのか、上の石だけ外せば済むのか?
先に結論を書きます。
更地とは、墓石も外柵も基礎も撤去して、土を入れて平らに戻した状態です。上の石を外すだけでは返還を受け付けてもらえません。
そして原状回復の義務は使用者にあります。管理者がやってくれるわけではありません。
更地にする範囲に含まれるもの
| 部位 | 内容 | 撤去 |
|---|---|---|
| 竿石・上台・中台 | 墓石本体 | する |
| 外柵 | 区画を囲む石 | する |
| カロート | 遺骨を納める納骨室 | する |
| 基礎 | コンクリートの土台 | する |
| 敷石・砂利 | 区画内の舗装 | する |
| 灯籠・墓誌・花立 | 付属品 | する |
| 土入れ | 掘った分を埋め戻す | する |
カロートと基礎の撤去を見落とすと、更地の費用が想定より増えます。地上に見えている石だけを数えて見積もりを想像すると、実際の金額と合いません。

原状回復の基準は霊園によって違う
法律で一律に決まっているわけではなく、霊園ごとの条例や規則で定められています。
東京都霊園条例の第16条には、使用しなくなったときは直ちに知事に届け出るとともに、当該施設を原状に回復しなければならない、と書かれています。ただし知事が特別の事情があると認めるときは、原状回復は要りません。
出典:東京都霊園条例
福岡市はもう少し踏み込んでいて、利用地を原状に復して返還するのが原則ですが、市長の承認を受けたときは現状のまま返還することができます。認められれば更地にする費用がかからないので、返還届を出す前に相談する価値があります。
札幌市は「使用者が責任をもって墓碑などの施設をすべて撤去し、更地にして返す」と明記しています。仙台市は更地に戻したうえで管理事務所から証明を受ける必要があります。
霊園ごとの基準は霊園から探すにまとめました。
名古屋市は工事のあとに管理事務所の現地確認があります。仙台市は更地の証明を受けてから返還します。中途半端に終わらせると受け付けてもらえないので、石材店に「その霊園の基準で更地にしてほしい」と伝えてください。
更地の費用が増える場合
- 古い基礎が地中に残っている
前の代の墓の基礎が埋まっていることがあります。掘って初めて分かります
- 基礎が想定より深い
はつる範囲が広がります
- 重機が入れない
手作業になるぶん人手が増えます
- 土の量が多い
掘った深さのぶんだけ埋め戻す土が要ります
現地を見ないで出た見積もりは、この4つで変わります。必ず石材店に区画を見てもらってから金額を確定させてください。
更地にする費用の目安
墓石の撤去と更地への整地は、まとめて1平方メートルあたり10万円から15万円が目安です。更地の費用だけを切り出して払うわけではなく、撤去工事の中に含まれます。
内訳の見方は墓じまいの費用相場に、面積で金額が変わる仕組みは墓じまいの墓石撤去費用に書きました。
更地にする費用でよくある質問
- 外柵だけ残すことはできますか?
原則できません。次の使用者が同じ区画を使うため、更地に戻すのが条件になっています。
- 基礎は残してもいいと言われました
霊園がそう認めているなら問題ありません。基準は霊園ごとに違うので、石材店ではなく管理事務所の判断に従ってください。
- 更地にしたあと、いつまでに返還すればいいですか?
工事が終わったら速やかに届け出ます。東京都霊園条例は「直ちに」と定めています。
- 更地にせず放置したらどうなりますか?
管理料の請求が続きます。滞納が続けば使用許可が取り消され、管理者が更地にしたうえで費用を請求されることがあります。
まとめ
- 更地とは墓石・外柵・カロート・基礎まで撤去して土を入れた状態
- 原状回復の義務は使用者にある。管理者はやってくれない
- 基準は霊園ごとに違う。福岡市は承認があれば現状のまま返還できる
- 地中の古い基礎が出ると費用が増える。現地を見てもらってから確定させる
墓じまいをする方は同時に実家じまいを検討することも多いです。お墓の撤去費用をいくらまで出せるかを決めるには、先に、今実家を売るとすればいくらになるのかを知っておくと良いです。売ると決めていなくても、金額を調べるだけなら無料でできます。

