この記事でわかること
- 無縁墓と扱われるまでの手続き
- 官報への掲載と立札の掲示が1年間必要なこと
- 遺骨がどこへ行くか
- あとから縁故者が名乗り出た場合
管理していない墓が無縁墓になると聞いた。放っておけば勝手に片付けてもらえるのか?
先に手続きを書きます。
無縁墓として改葬するには、1年間の公告が必要です。墓地の管理者が官報に掲載し、墓地に立札を1年間掲示したうえで、縁故者が現れない場合に改葬できると定められています。
つまりすぐには片付きません。その間、管理料の債務は残ります。
墓じまいをせず無縁墓と扱われるまでの流れ
請求と督促が届きます
名義人の所在が分かる場合はここで連絡が来ます
戸籍などから承継できる人を探します
1年間続けます
縁故者が現れなければ遺骨を合葬施設などへ移します
ここまでに数年から十数年かかります。放置すれば数年で更地になる、ということではありません。

無縁墓になった遺骨はどこへ行くか
合葬されます。多くの自治体では、霊園内の合葬施設や無縁塚にまとめて納められます。
一度合葬されると個別に取り出せません。あとから親族が名乗り出ても、遺骨を戻すことはできません。ここが放置の実質的なリスクです。
合祀の性質は墓じまい後の永代供養と合祀にまとめました。
無縁墓として処理されると、遺骨の行き先を選べません。自分で改葬すれば、個別安置にすることも、一部を手元に残すこともできます。行き先の比較は墓じまいで遺骨はどうするかに書きました。
無縁墓の撤去費用を請求されるか
自治体が撤去した場合、その費用を名義人や承継者に請求することがあります。
請求できるかは自治体の規則と、名義人の所在が判明しているかによります。所在が分からないまま処理された場合は請求されないこともありますが、請求されない前提で放置するのは危うい判断です。
放置した場合の費用の積み上がりは墓じまいをせず放置した場合にまとめました。
無縁墓になったあとに縁故者が名乗り出た場合
公告の期間中であれば、申し出ることで改葬を止められます。
問題は、公告に気づかないことです。官報を日常的に読む人はほとんどおらず、立札も現地に行かなければ見えません。遠方に住んでいると気づかないまま1年が過ぎます。
年に一度でも墓を訪ねるか、管理料の請求が届いているかを確認しておいてください。請求が途絶えているなら、名義や住所の情報が古くなっている可能性があります。
墓じまいと無縁墓のどちらが費用は少ないか
| 項目 | 自分で墓じまい | 無縁墓として処理 |
|---|---|---|
| 撤去費用 | 数十万円 | 請求されることがあります |
| 滞納した管理料 | 清算が必要です | 債務として残ります |
| 遺骨の行き先 | 選べます | 選べません |
| かかる年数 | 3か月〜半年 | 数年〜十数年 |
| 親族への説明 | 自分でできます | できません |
金額で大きく変わるわけではありません。違うのは選べるかどうかです。
墓じまいと無縁墓でよくある質問
- 無縁墓になれば費用はかからないのですか?
滞納した管理料は残り、撤去費用を請求されることもあります。
- 公告はどこで確認できますか?
官報に掲載されます。ただし気づくのは難しいので、管理事務所に照会するほうが確実です。
- 親族がいても無縁墓になりますか?
連絡がつかず縁故者として現れなければ、手続きが進むことがあります。
- 無縁墓になった遺骨を取り戻せますか?
合葬されたあとは取り出せません。公告の期間中であれば申し出られます。
まとめ
- 無縁墓として改葬するには官報への掲載と立札の掲示が1年間必要
- 処理が終わるまでに数年から十数年かかる。その間も管理料の債務は残る
- 合葬されると遺骨を取り出せない。あとから名乗り出ても戻せない
- 自分で墓じまいをする違いは金額ではなく、選べるかどうか
墓じまいをする方は同時に実家じまいを検討することも多いです。お墓の撤去費用をいくらまで出せるかを決めるには、先に、今実家を売るとすればいくらになるのかを知っておくと良いです。売ると決めていなくても、金額を調べるだけなら無料でできます。

