この記事でわかること
- 同じ部屋なのに見積もりが2倍以上違う理由がわかる
- 高い見積もりと安い見積もり、それぞれの危険がわかる
- 見積書のどこを見れば比べられるかがわかる
- 3社の中からどれを選ぶかの判断基準がわかる
同じ1DKを見てもらったのに、A社12万円、B社18万円、C社29万円。倍以上の差がある。どれが正しいのか分からない。
結論から言うと、どれも正しい可能性があります。見ている範囲が違うからです。
そして、いちばん危ないのは「安い見積もり」を金額だけで選ぶことです。含まれていない作業が後から追加請求されると、最終的にいちばん高くつきます。
金額を横に並べる前に、何が含まれているかを揃えてください。
条件を揃えて比べるには、同じ内容で複数社から取るのがいちばん早い方法です。

差が出る5つの理由
- 含まれている作業が違う
いちばん多い原因です。次のどれが含まれているかで、金額は大きく変わります。
| 作業 | 含まれない業者がある |
|---|---|
| 家電4品目のリサイクル料 | 別途請求されることが多い |
| 仕分け・分別作業 | 「仕分け済み」前提の見積もりがある |
| 貴重品の捜索 | 作業に含めない業者がある |
| 簡易清掃・掃き掃除 | 含む業者と含まない業者に分かれる |
| 特殊清掃・消臭 | ほぼ別料金 |
| 供養(仏壇・人形) | 別途費用 |
| 車両の駐車料金 | コインパーキング代を実費請求されることがある |
A社が安いのは、家電4品目と清掃が入っていないから。よくあるパターンです。
- 荷物量の見立てが違う
押し入れや物置の中まで開けて確認したか、部屋を見ただけかで、想定する量が変わります。開けずに見積もった業者は安く出しますが、当日「思ったより多い」と追加になります。
- 作業人数と時間の想定が違う
3人で1日と見るか、4人で1日と見るかで人件費が変わります。人数が多いほど早く終わりますが、金額は上がります。
- 処分ルートが違う
自社で処分場を持っている業者と、外部に委託する業者では原価が違います。また、リサイクルできる物を仕分けて再販する体制がある業者は安く出せます。
- 買取を差し引いているかどうか
C社が29万円でも、買取で5万円差し引かれるなら実質24万円です。買取の有無を確認せずに総額だけ比べると、判断を誤ります。
買取の仕組みは遺品整理は買取の相殺で安くなるかにまとめています。
安すぎる見積もりの危険
相場より大幅に安い見積もりには、理由があります。
追加請求が前提になっている
「一式」表記が多く内訳が分からない見積もりは要注意です。当日「思ったより荷物が多い」「家電は別料金」と言われて、最終的に倍額になる事例があります。
必要な作業が抜けている
家電リサイクル料、分別作業、清掃。抜けている項目があると、後から追加されるか、やってもらえないまま終わります。
無許可業者の可能性
家庭から出る廃棄物を運ぶには、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。無許可業者は処分費をかけないぶん安く出せますが、不法投棄につながります。依頼した側が責任を問われる可能性があります。
見積書を書面で出さない業者は、その時点で候補から外してください。
高すぎる見積もりの理由
逆に、極端に高い場合にも理由があります。
- 特殊清掃や消臭が含まれている(必要なら妥当)
- 供養や搬出養生が含まれている
- 遠方からの出張で交通費が乗っている
- 単純に相場より高い
高い理由を説明できる業者なら問題ありません。説明できない場合、あるいは「今契約すれば値引きします」と言い出す場合は避けてください。
揃えて比べる方法
3社を同じ土俵に乗せるには、次の項目を全社に確認してください。
- 家電4品目のリサイクル料と運搬料は含まれているか
- 仕分け・分別の作業は含まれているか
- 作業後の簡易清掃は含まれているか
- 貴重品が出た場合、探して別に取り分けてもらえるか
- 追加請求が発生する条件は何か
- 買取できる物があった場合、費用から差し引かれるか
- 一般廃棄物収集運搬業の許可、または許可業者との提携はあるか
- 作業人数と所要時間の想定は何人・何時間か
この8項目を揃えると、たいてい金額の差が説明できます。説明がつかない差が残ったなら、そこが本当の価格差です。
8つの質問をそのまま各社に投げてください。回答が揃った時点で、比べられる状態になります。

見積書のどこを見るか
「一式」が多い見積もりは避ける
「遺品整理一式 ◯◯万円」だけでは、何が含まれているか検証できません。項目ごとに単価と数量が書かれているものを求めてください。
追加費用の条件が書かれているか
「想定より荷物が多い場合は別途協議」という記載があるほうが、実は誠実です。何も書かれていないと、当日の口頭で決まってしまいます。
作業日数と人数が書かれているか
人件費の妥当性を判断する材料になります。
買取額が別記されているか
差し引き前の金額と、買取額と、最終的な支払額が分かれて書かれているのが理想です。
3社の中からどれを選ぶか
金額だけで決めないでください。判断の順番はこうです。
① 許可の有無で足切りする
一般廃棄物収集運搬業の許可、または許可業者との提携。ここを答えられない業者は除外します。
② 内訳が出ている業者だけ残す
「一式」しか出さない業者は除外します。
③ 残った中で、条件を揃えた金額を比べる
家電リサイクル料と清掃を含めた総額で並べます。
④ 同程度なら、対応の質で選ぶ
質問への回答が早いか、貴重品の扱いを即答できるか、追加費用の条件を先に説明したか。当日のトラブルはここに現れます。
【FAQ】遺品整理の見積もりについてよくある質問
Q. 見積もりは無料ですか。
現地調査を含めて無料の業者がほとんどです。有料の場合は事前に告げられます。
Q. 見積もりを取ったら断りにくくないですか。
相見積もりは通常の手続きです。断ることを前提に取って構いません。しつこく連絡してくる業者は、その時点で候補から外す材料になります。
Q. 電話やメールだけで見積もりは出ますか。
概算なら出ます。ただし押し入れや物置の中身は見ないと分からないため、精度は落ちます。写真を送ると精度が上がります。
Q. 当日に金額が変わることはありますか。
想定より荷物が多かった場合など、変わることがあります。だからこそ、追加費用が発生する条件を事前に確認してください。
Q. 何社取るのが適切ですか。
3社が目安です。2社だとどちらが妥当か判断できず、4社以上は対応の手間が増えます。詳しくは遺品整理の相見積もりは何社とるべきかに書いています。
まとめ
- 見積もりが倍以上違うのは、含まれている作業と荷物量の見立てが違うから
- 安すぎる見積もりは、追加請求が前提か、必要な作業が抜けているか、無許可の可能性
- 8項目を全社に確認すれば、金額の差はたいてい説明がつく
- 「一式」表記の見積もりは検証できない。項目ごとの内訳を求める
- 選ぶ順番は、許可の有無 → 内訳の有無 → 条件を揃えた金額 → 対応の質
いま手元に3社の見積もりがあるなら、まず上の8項目を各社に投げてみてください。返答が揃った時点で、比べられる状態になります。
まだ1社しか取っていないなら、その金額が妥当かどうかは判断できません。もう2社取ってから決めてください。
次に読む
この記事と同じ段階で読まれているものです。
いま1社しかないなら、その金額が妥当かは判断できません。もう2社取ってから決めてください。

