この記事でわかること
- 荷物を残したまま売れる場合と、売れない場合がわかる
- 片付けてから売ると手取りが増えるかどうかがわかる
- 契約書で必ず確認すべき条項がわかる
- 片付けと売却をどの順番でやるべきかがわかる
家の中に親の荷物が残っている。全部出してからでないと売れないのだろうか。
先に結論です。
残置物があるままでも売れます。 ただし売り方によります。不動産会社が直接買い取る場合は、荷物を残したまま引き渡せることがあります。買主を探す仲介では、原則として引き渡しまでに空にします。
そして、片付けてから売っても、その費用の分だけ売却額が上がるとは限りません。 ここを間違えると、費用だけ出して手取りが減ります。
荷物が残っている状態のまま査定を出せます。片付けるかどうかは、金額を見てから決められます。

売り方による違い
| 売り方 | 残置物 | 費用の負担 |
|---|---|---|
| 買取(不動産会社が買う) | 残したまま可の会社がある | 買取価格に織り込まれる |
| 仲介(買主を探す) | 原則として引き渡しまでに撤去 | 売主が負担 |
| 現況有姿での仲介 | 買主が了承すれば可 | 価格交渉で調整 |
現況有姿とは、いまの状態のまま引き渡すという条件です。仲介でも、買主が了解すれば荷物を残したまま売買できます。ただし何を残すかを契約書に明記します。
残したまま売れる条件
- 買主が業者、または投資家である
- 買主が自分で片付ける前提で価格が決まっている
- 残す物の範囲が契約書に書かれている
- 危険物や、処分に許可が要るものが含まれていない
危険物は別扱いです。灯油、農薬、ガスボンベ、消火器、バッテリー。これらは残したままにできないことがあります。査定のときに必ず伝えてください。
また、仏壇や神棚は買主が扱いに困るため、原則としてこちらで処理します。扱いは実家の仏壇に引き取り手がないにまとめています。
残したままだと売れない場合
- 買主が住む目的で、内覧して判断する
- 住宅ローンを使う買主で、引き渡し時の状態に条件がつく
- 建物内に立ち入れないほど物が積み上がっている
- 何が残っているのか売主自身が把握していない
内覧して住むかどうかを決める買主には、荷物が残っている状態はほぼ通りません。部屋の広さも傷みも判断できないためです。
片付けてから売ると手取りは増えるか
計算式は単純です。
片付けてから売る場合の手取り
= 売却額 - 遺品整理の費用
そのまま売る場合の手取り
= 買取価格(片付け費用が織り込まれた金額)
上が下より大きくなるなら、片付ける価値があります。
遺品整理の費用は、一戸建てで20万〜50万円程度が目安です。荷物の量と搬出経路で大きく変わります。詳しくは一軒家の遺品整理はいくらかかるかにあります。
一方、荷物を残したまま買い取る会社は、その処分費を見込んで金額を出します。差し引きすると、自分で片付けたほうが手取りが増えることも、逆になることもあります。
判断するには両方の金額が必要です。片付ける前に、そのままの状態で査定を取ってください。
先に片付けてはいけない場合
相続放棄を考えているとき
荷物を処分すると、相続を承認したとみなされることがあります。放棄を検討している間は、何も動かさないでください。線引きは相続放棄する前に遺品に触っていいかにまとめています。
買取業者に出す予定のものがあるとき
着物、骨董、貴金属、古い家具。処分してしまうと戻りません。捨てる前に一度見てもらう価値があります。遺品の買取で費用は相殺できるかにあります。
貴重品の捜索が終わっていないとき
通帳、権利証、保険証券、印鑑。高齢者は保管場所を分散させています。まとめて処分すると、あとで探せなくなります。
残置物ありで買い取る会社と、片付けてから売る場合の金額。両方を比べてください。

契約書で確認すること
残置物を残して売る場合、次の点を書面で確認してください。
- 何を残し、何を撤去するのかの範囲
- 撤去の費用をどちらが負担するのか
- 引き渡し後に見つかった物の扱い
- 危険物や特殊な処分が必要な物の扱い
- 契約不適合責任をどう扱うか
口頭の了解だけで進めないでください。引き渡し後に「これは聞いていない」となると、費用を請求されることがあります。
進める順番
- そのままの状態で複数社に査定を出す
- 「荷物が残っている」と最初に伝える
- 買取価格と、片付けた場合の仲介価格を両方聞く
- 遺品整理の見積もりを取り、差額と比べる
- 貴重品の捜索と、買取に出せるものの確認だけは先に済ませる
1と4を並行して進められます。どちらも無料です。
そして、相続放棄の可能性が残っているなら、その判断を先にしてください。順番を間違えると取り返しがつきません。
【FAQ】残置物のある空き家の売却についてよくある質問
Q. 家具や家電が残っていても査定してもらえますか。
できます。査定のときに量と種類を伝えてください。金額に反映されます。
Q. 押し入れの中まで見せる必要がありますか。
買取の場合は、量を把握するために見てもらったほうが正確な金額が出ます。あとから追加請求されるのを防げます。
Q. ゴミ屋敷の状態でも買い取ってもらえますか。
対応する会社があります。金額は下がりますが、自分で片付けてから売るより手取りが多くなることもあります。
Q. 庭の物置や車庫の中はどうなりますか。
これも残置物です。範囲に含めて伝えてください。
Q. 引き渡し後に物が見つかったらどうなりますか。
契約書の定めによります。だからこそ範囲を書面で決めておきます。
まとめ
- 残置物があるままでも売れる。買取なら残したまま引き渡せる会社がある
- 仲介では原則として引き渡しまでに撤去する。現況有姿なら残せる場合もある
- 片付け費用の分だけ売却額が上がるとは限らない。両方の金額を比べる
- 相続放棄を検討中なら、荷物に触る前に判断する
- 残す範囲は必ず契約書に書く
まず、荷物が残っている状態のまま査定を出してください。片付けは、そのあとで判断できます。
同時に遺品整理の見積もりも取れば、どちらが手取りで有利かが数字で分かります。
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「荷物が残っている」と伝えたうえで査定を取ってください。それも含めた金額が出ます。

