この記事でわかること
- 業者を使わずに遺品整理を終えられる条件がわかる
- 自力では処理できないものが具体的にわかる
- 業者以外に頼れる先が4つわかる
- 途中まで自分でやって費用を下げる方法がわかる
遺品整理を業者に頼むと数十万円かかる。できれば使わずに済ませたい。
結論から言うと、条件がそろえば業者なしで終えられます。ただし、その条件はそれほど緩くありません。
そして重要なのは、業者を使わない場合でも費用はゼロにならないということです。処分手数料、家電リサイクル料、車のレンタル代、自分の時間。全部足すと、思ったほど差がないことがあります。
まず、自力で完結できる条件から確認してください。

自力で完結できる条件
次の6つがそろっていれば、業者なしで終わります。
- 間取りが1DK以下、または荷物が少ない
- 実家まで日帰りで通える
- 大型家具が2点以下
- 2階からの搬出がない、またはエレベーターがある
- 軽トラを運転でき、手伝ってくれる人がいる
- 期限に追われていない
このうち2つ以上欠けると、途中で行き詰まる可能性が高くなります。
特に、6番の「期限」は決定的です。賃貸の退去期限がある場合、自治体の粗大ごみ回収を待っていては間に合いません。回収日は自分では動かせないからです。
自力では処理できないもの
条件がそろっていても、次のものは自分では処理できません。それぞれ別の引き取り先が必要です。
| 品目 | 処理方法 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機 | 指定引取場所へ持ち込むか、販売店に依頼 | 1台あたり数千円+運搬料 |
| パソコン | メーカー回収か認定業者 | 無料〜数千円 |
| 灯油・ガソリン | ガソリンスタンドへ相談 | 店舗により異なる |
| ペンキ・スプレー缶 | 中身を使い切るか、専門業者 | 品目による |
| 消火器 | 特定窓口・指定引取場所 | 数千円 |
| バッテリー・タイヤ | カー用品店やガソリンスタンド | 数百〜数千円 |
| 農薬 | 販売店か農協に相談 | 品目による |
| ピアノ | 専門の運搬業者 | 2万〜5万円 |
| 金庫 | 専門業者(手引き金庫でも100キロ超) | 1万〜5万円 |
| 仏壇 | 寺院での閉眼供養+処分業者 | 数万円 |
参考:家電4品目の「正しい処分」早わかり!|経済産業省
古い家の物置には、この表の下半分がまとめて残っていることがよくあります。灯油缶、ペンキ、消火器、古いバッテリー。1点ずつ引き取り先を調べることになり、それだけで数日かかります。
業者以外に頼れる先
「遺品整理業者」以外にも選択肢があります。
シルバー人材センター
自治体ごとにあり、簡単な運搬や清掃を有料で依頼できます。料金は業者より安いことが多いですが、対応できる作業に制限があり、大型家具の搬出や大量の処分には向きません。
不用品回収業者
遺品整理の付随サービス(仕分け、供養、清掃)を省き、運び出しと処分だけを行います。仕分けを自分で終えているなら、こちらのほうが安くなります。
ただし、無許可の業者に注意してください。家庭から出る廃棄物を運ぶには一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。無許可業者に渡すと不法投棄につながり、依頼した側が責任を問われる可能性があります。
リサイクルショップ・買取業者
値がつく物だけ引き取ってもらえば、処分する量が減ります。着物、食器、工具、古いカメラ、切手、時計など。出張買取に対応している店なら、家まで来てもらえます。
処分費が下がるだけでなく、現金が入ることもあります。詳しくは遺品整理は買取の相殺で安くなるかにまとめています。
引越し業者の不用品処分サービス
実家の売却や引越しと同時に行う場合、引越し業者が不用品の処分も請け負うことがあります。まとめて頼めるぶん手間が減ります。
費用はゼロにならない
業者を使わない場合の実費を並べます。
自力の場合の実費
= 粗大ごみ手数料(1点300〜2,000円)
+ 処分場の受入手数料(10キロ100〜200円程度)
+ 家電リサイクル料 + 収集運搬料
+ 軽トラのレンタル代(1日6,000〜10,000円)
+ ガソリン代・高速代
+ 有給を使う日数 × 日給
一戸建てだと、これで10万円を超えることが珍しくありません。業者の見積もりが20万円なら、差は10万円です。
その10万円のために、何日使うのか。そこが判断の分かれ目になります。
日数の目安は遺品整理を自分でやると何日かかるかで出しています。
自力では処理できないものだけを頼むこともできます。その部分の見積もりから取ってください。

途中まで自分でやるのが、いちばん安い
全部やるか、全部任せるかの二択で考えないでください。
自分でやると安くなるのは、判断が要らない軽いものです。衣類、日用品、食器、書類。これらを先に処分しておけば、業者の見積もりが下がります。
逆に、自分でやると割に合わないのが次です。
- 大型家具の解体と搬出(怪我のリスク、往復回数)
- 家電4品目(引き取り先が別、運搬が面倒)
- 危険物(1点ずつ調べる時間)
- 仏壇・金庫・ピアノ(専門業者が必要)
この4つだけ業者に頼み、あとは自分でやる。これが費用と手間のバランスとしては最適です。
部分依頼に対応している業者は多くあります。見積もりの段階で「この部分だけお願いできますか」と聞いてください。
業者を使わないと決める前に確認すること
- 実家のある自治体は、遺品整理の大量排出を粗大ごみとして受け付けるか
- 1回に出せる点数の上限は何点か
- 処分場の自己搬入はできるか。受付は平日のみか
- 家電4品目と危険物は何点あるか
- 期限があるか(賃貸の退去、売却、相続税の申告)
1番と2番で「大量排出は業者へ」と言われたら、その時点で決まります。自治体に電話すれば5分で分かります。
粗大ごみの制約は遺品の粗大ごみは何個まで出せるかにまとめています。
【FAQ】業者を使わない遺品整理についてよくある質問
Q. 全部自分でやれば費用はゼロになりますか。
なりません。処分手数料と家電リサイクル料は必ずかかります。車がなければレンタル代も必要です。
Q. 無料回収を謳う業者は使えますか。
「無料」を掲げて後から高額請求をする事例が報告されています。また、無許可業者による不法投棄のリスクもあります。見積書を書面で出さない業者は避けてください。
Q. 友人に手伝ってもらえば安く済みますか。
作業は速くなりますが、怪我をした場合の責任が曖昧になります。大型家具の搬出は、慣れていない人同士だと危険です。
Q. フリマアプリで売れば処分費が浮きますか。
値がつく物なら有効ですが、梱包と発送の手間が大きく、大量にはさばけません。まとめて買取業者に見てもらうほうが現実的です。
Q. 途中で無理だと思ったら、そこから頼めますか。
頼めます。途中の状態でも見積もりは出ます。ただし期限が迫ってからだと選択肢が減るので、早めに判断してください。
まとめ
- 業者を使わずに終えられる条件は6つ。2つ以上欠けると行き詰まりやすい
- 家電4品目、危険物、ピアノ・金庫・仏壇は自力では処理できない
- シルバー人材センター、不用品回収、買取業者、引越し業者という選択肢もある
- 自力でも費用はゼロにならない。処分手数料と有給を足して比べる
- 軽いものは自分で、重いものと特殊なものだけ業者に。これが最も安い
まず、実家のある自治体に電話して、大量排出を受け付けるかを確認してください。ここで結論が出ることがあります。
そのうえで、大型家具と家電と危険物の数を数える。その部分だけの見積もりを取れば、いくら払えば自分の手間がどれだけ減るかが分かります。
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全部やるか全部任せるかの二択ではありません。区切って頼んだ場合の金額を確認してください。

