PR本記事には広告が含まれています
家の中に親の荷物が残っている。全部出してからでないと売れないのだろうか?
残置物があるままでも売れます。ただし売り方によります。不動産会社が直接買い取る場合は、荷物を残したまま引き渡せることがあります。買主を探す仲介では、原則として引き渡しまでに空にします。
そして、片付けてから売っても、その費用の分だけ売却額が上がるとは限りません。 ここを間違えると、費用だけ出して手取りが減ります。
残置物があるままの売り方による違い
| 売り方 | 残置物 | 費用の負担 |
|---|---|---|
| 買取(不動産会社が買う) | 残したまま可の会社がある | 買取価格に織り込まれる |
| 仲介(買主を探す) | 原則として引き渡しまでに撤去 | 売主が負担 |
| 現況有姿での仲介 | 買主が了承すれば可 | 価格交渉で調整 |
現況有姿とは、いまの状態のまま引き渡すという条件です。仲介でも、買主が了解すれば荷物を残したまま売買できます。ただし何を残すかを契約書に明記します。
荷物が残っている状態のまま査定を出せます。片付けるかどうかは、金額を見てから決められます。
PR

残したまま渡すなら「所有権を放棄する」条項が要る
見落とされやすい点です。契約書に何も書かずに荷物を置いていくと、その荷物の所有権は売主に残ったままになります。
買主が勝手に処分すると他人の物を捨てたことになり、逆に買主は処分をためらいます。片付かないまま引き渡し後のもめごとになるのは、ここが原因です。
契約書に入れるのはこの2点です。
| 書く内容 | 目的 |
|---|---|
| 引き渡し時に室内に存する動産の所有権を、売主が放棄し買主に帰属させる | 買主が自由に処分できるようにする |
| 引き渡し後に残置物が見つかった場合も同様に扱い、売主は撤去費用を負担しない | あとからの請求を防ぐ |
口頭の了解だけで進めないでください。引き渡し後に「これは聞いていない」となると、費用を請求されることがあります。
空き家を残置物ありのまま売れる条件
- 買主が業者、または投資家である
- 買主が自分で片付ける前提で価格が決まっている
- 残す物の範囲が契約書に書かれている
- 危険物や、処分に許可が要るものが含まれていない
危険物は別扱いです。灯油、農薬、ガスボンベ、消火器、バッテリー。これらは残したままにできないことがあります。査定のときに必ず伝えてください。
また、仏壇や神棚は買主が扱いに困るため、原則としてこちらで処理します。扱いは実家の仏壇に引き取り手がないにまとめています。
相談者荷物があると伝えたら、査定を断られそうで言い出せません



先に言ったほうが金額は安定します。あとから分かると、その場で減額されるか白紙になります



量が多いと、その分だけ値段が下がるということですか?



処分費のぶんは下がります。ただ、自分で片付けた費用がそのまま売値に乗るわけでもありません。両方の金額を並べてから決めてください
残置物があると売れない場合
- 買主が住む目的で、内覧して判断する
- 住宅ローンを使う買主で、引き渡し時の状態に条件がつく
- 建物内に立ち入れないほど物が積み上がっている
- 何が残っているのか売主自身が把握していない
内覧して住むかどうかを決める買主には、荷物が残っている状態はほぼ通りません。部屋の広さも傷みも判断できないためです。
残置物の撤去費用はいくらか
自分で片付ける場合の目安です。買取価格を判断するときの比較材料になります。
| 建物 | 撤去費用の目安 |
|---|---|
| 1K・1DK | 5万〜15万円 |
| 2DK・2LDK | 10万〜30万円 |
| 一戸建て(3LDK以上) | 20万〜50万円 |
| 物が積み上がっている状態 | 上記に加算。搬出経路と階数で変わる |
金額を左右するのは量より搬出経路です。トラックを横づけできるか、階段か、道が狭くて小型車しか入れないか。ここで倍近く変わります。
自治体によっては、空き家の家財処分に補助金を出しているところがあります。金額も条件も全国一律ではないので、市区町村の空き家担当窓口で確認してください。多くの制度は、申請して交付が決まってから着手するという順番です。 先に片付けると対象外になります。
着物、貴金属、骨董、古い家具は買取に回せます。撤去費用から差し引ける場合があるので、捨てる前に一度見てもらってください。
知っていることは売る前に伝える
中古住宅の売買では、売主が個人の場合、契約不適合責任を負わない特約を付けるのが一般的です。ただし、知りながら告げなかった事実については、その特約があっても責任を免れられません(民法572条)。
雨漏り、シロアリ、傾き、床下の水。知っていることは全部伝えたうえで免責特約を付けるのが、いちばん安全な形です。隠して特約だけ付けても、その部分には効きません。
残置物ありで買い取る会社と、片付けてから売る場合の金額。両方を比べてください。
PR


片付けてから売ると手取りは増えるか
計算式は単純です。
片付けてから売る場合の手取り
= 売却額 - 遺品整理の費用
そのまま売る場合の手取り
= 買取価格(片付け費用が織り込まれた金額)
上が下より大きくなるなら、片付ける価値があります。
遺品整理の費用は、一戸建てで20万〜50万円程度が目安です。荷物の量と搬出経路で大きく変わります。詳しくは一軒家の遺品整理はいくらかかるかにあります。
一方、荷物を残したまま買い取る会社は、その処分費を見込んで金額を出します。差し引きすると、自分で片付けたほうが手取りが増えることも、逆になることもあります。
判断するには両方の金額が必要です。片付ける前に、そのままの状態で査定を取ってください。
先に片付けてはいけない場合
相続放棄を考えているとき
荷物を処分すると、相続を承認したとみなされることがあります(民法921条1号)。放棄を検討している間は、金額のあるものを動かさないでください。
ただし、腐るものを捨てるような保存行為は同じ条文のただし書で除かれています。何もできないわけではありません。線引きは相続放棄する前に遺品に触っていいかにまとめています。
買取業者に出す予定のものがあるとき
着物、骨董、貴金属、古い家具。処分してしまうと戻りません。捨てる前に一度見てもらう価値があります。遺品の買取で費用は相殺できるかにあります。
貴重品の捜索が終わっていないとき
通帳、権利証、保険証券、印鑑。高齢者は保管場所を分散させています。まとめて処分すると、あとで探せなくなります。
家を売る予定があるなら、購入時の売買契約書と領収書も探してください。取得費が分からないと、売却代金の5%を取得費として計算することになり、納める税額が大きく変わります。
残置物がある空き家を売る順番
片付ける前に出します。荷物が残っていることを最初に伝えてください
同じ会社でも、買い取る場合と買主を探す場合で金額が変わります
1と並行して進められます。どちらも無料です
仲介価格から片付け費用を引いた額と、買取価格を並べます
通帳、権利証、契約書。着物や骨董は捨てる前に見てもらいます
残置物の所有権放棄と、契約不適合責任の扱いを書面で確かめます
相続放棄の可能性が残っているなら、その判断を先にしてください。順番を間違えると取り返しがつきません。
空き家の残置物でよくある質問
- 家具や家電が残っていても査定してもらえますか?
できます。査定のときに量と種類を伝えてください。金額に反映されます。先に言わないと、あとから減額される形になります。
- 残していく荷物は契約書に書かないといけませんか?
書いてください。何も書かないと荷物の所有権は売主に残り、買主は処分できません。所有権を放棄する条項を入れます。
- ゴミ屋敷の状態でも買い取ってもらえますか?
対応する会社があります。金額は下がりますが、自分で片付けてから売るより手取りが多くなることもあります。
- 残置物の撤去費用はいくらですか?
一戸建てで20万〜50万円が目安です。量より搬出経路で変わります。トラックを横づけできるかどうかで倍近く違います。
- 残置物の処分に補助金は使えますか?
出している自治体があります。全国一律ではないので市区町村の空き家担当窓口に確認してください。多くは申請して交付が決まってからの着手が条件です。
- 残置物を買い取ってもらえますか?
着物、貴金属、骨董、古い家具は買取に回せます。撤去費用から差し引ける場合があるので、捨てる前に見てもらってください。
- 契約不適合責任を負わない契約にできますか?
売主が個人なら特約を付けられます。ただし知りながら告げなかった事実については免責されません(民法572条)。雨漏りや傾きは必ず伝えてください。
- 押し入れの中まで見せる必要がありますか?
買取の場合は、量を把握するために見てもらったほうが正確な金額が出ます。あとからの追加請求を防げます。
- 庭の物置や車庫の中はどうなりますか?
これも残置物です。範囲に含めて伝えてください。屋外にあるものほど見落とされます。
- 灯油やガスボンベが残っています。
残したままにできないことがあります。処分に手順が要るものなので、査定の段階で伝えてください。
この記事の要点
- 残置物があるままでも売れる。買取なら残したまま引き渡せる会社がある
- 契約書に所有権を放棄する条項がないと、荷物の所有権は売主に残り、買主は処分できない
- 片付け費用の分だけ売却額が上がるとは限らない。仲介価格から片付け費用を引いた額と、買取価格を並べて比べる
- 撤去費用は一戸建てで20万〜50万円が目安。量より搬出経路で変わる。自治体の補助金は着手前の申請が条件
- 相続放棄の可能性があるうちは、金額のあるものを動かさない
まず、荷物が残っている状態のまま査定を出してください。片付けは、そのあとで判断できます。
同時に遺品整理の見積もりも取れば、どちらが手取りで有利かが数字で分かります。
空き家の売却について次に読む記事
関連するのはこのあたりです。
「荷物が残っている」と伝えたうえで査定を取ってください。それも含めた金額が出ます。
PR










