この記事でわかること
- 費用が用意できないときの選択肢を、現実的な順に並べたもの
- 補助金がほとんど存在しないこと
- 分割払いと借入で総額がどう変わるか
- 実家が残っている場合に、先にやっておくこと
墓じまいをしたいけれど、100万円近い金額は出せない。管理料の請求だけが毎年来ていて、どうにかしなければとは思っている。
先に、期待して調べる人が多いものから片付けます。
墓じまいの補助金は、ほとんどの自治体に存在しません。
一部の自治体が無縁墓対策として改葬費を助成していますが、数は限られています。自分の住んでいる市区町村ではなく、墓のある市区町村の制度を調べることになります。まず役所に電話して「墓じまいや改葬の助成はありますか」と聞いてください。5分で終わります。
無いと分かったところから、この記事の話が始まります。
墓じまいのお金がないときに選べる方法は5つ
金額を用意する方法を、現実的な順に並べます。
| 方法 | 用意できる額 | 総額への影響 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 急がずに待つ | ー | 年間管理料だけ増える | ー |
| 改葬先を安いものにする | 30万〜100万円の差 | 総額が下がる | すぐ |
| 兄弟や親族で分ける | 人数による | 変わらない | 話し合い次第 |
| 石材店の分割払い | 工事費分 | 利息の分だけ増える | すぐ |
| 実家を売る | 数百万円以上 | 変わらない | 3か月〜 |
上から順に検討してください。金額が足りないときに最初にやることは、借りることではなく、総額を下げることです。

墓じまいを急がなくていい理由
墓を放置しても、法律で罰せられることはありません。
起きるのは管理料の請求が続くことだけです。金額は年間1,620円から1万円程度です。滞納が続けば最終的には使用許可が取り消されますが、公営霊園なら5年前後かかります。
つまり、1年待っても増えるのは数千円から1万円です。
一方で家は違います。相続登記には期限があり、空き家を放置すると固定資産税が上がることがあります。順番の話は墓じまいと実家のどちらを先に片付けるべきかに書きました。
墓じまいをしないまま置いた場合に何が起きるかは、墓じまいをしないとどうなるかにまとめています。
墓じまいの総額を下げる。改葬先で30万円から100万円変わる
一番効くのは、遺骨の移し先を変えることです。
| 移し先 | 費用の目安 |
|---|---|
| 合祀墓 | 3万〜10万円 |
| 海洋散骨 | 5万〜30万円 |
| 樹木葬 | 20万〜80万円 |
| 納骨堂 | 20万〜150万円 |
| 個別の永代供養墓 | 50万〜150万円 |
個別の永代供養墓を合祀に変えるだけで、100万円近く下がることがあります。
一度合祀すると、他の方の遺骨と混ざるため、あとから個別に取り出すことはできません。安いという理由だけで決めず、親族に話してから選んでください。事後報告が一番揉めます。
自治体が運営する合葬墓なら、さらに安く済むことがあります。木更津市のように、市営の一般墓地を返して市営の合葬式墓地へ移す道筋を用意している自治体もあります。墓のある自治体に合葬墓があるかを聞いてください。
自分で手配して、代行の手数料を外す
墓じまいの費用のうち、書類の取得と改葬先の契約は自分でできます。手数料は無料か数百円です。
代行業者に一括で頼むと、この部分にも手数料が乗ります。石材店に払う工事費そのものは誰が手配しても変わらないので、削れるのは代行の手数料だけです。
とはいえ、遠方で通えない方や親族と揉めている方には代行に価値があります。全部を任せるのではなく、石材店の手配だけ任せるといった頼み方もできます。
何を自分でやれるかは墓じまいの費用相場の表にまとめました。手順は墓じまいの流れに書いています。
墓じまいを分割払いにすると総額が増える
石材店によっては分割払いに対応しています。カードローンやフリーローンを使う方もいます。
ただし借りる以上は利息が乗ります。100万円を年利15パーセントで36回払いにすると、返す総額は125万円前後になります。25万円は、改葬先を1段階良いものにできる金額です。
急いでいないなら、借りる前に他の方法を検討してください。
実家が残っているなら、先に金額を調べる
ここまでの方法を試しても足りない場合、まとまったお金を作る手段は限られます。
実家が残っているなら、それを売ることくらいしかありません。
墓じまいをする理由と、実家を持て余す理由は同じです。継ぐ人がいない、遠くて通えない、管理できない。片方だけ解決しても、もう片方が残ります。
そして家のほうには期限があります。
登記事項証明書を取れば分かります。親のままなら相続登記の期限があります
査定は無料で数日で出ます。売ると決めていなくても構いません
改葬先を合祀にするか個別にするかは、使える額が決まってから選びます
査定を取っただけで売る義務はありません。金額を知らないまま持っていると、固定資産税だけが毎年出ていきます。
一括査定に申し込むと複数社から連絡が来ます。断り方と連絡を減らす頼み方は空き家の査定を頼むと営業電話が来るのかに書きました。
墓じまいのお金がないときのよくある質問
- 生活保護を受けていても墓じまいはできますか?
制度として墓じまいの費用を出す仕組みはありません。福祉事務所に相談したうえで、合祀など総額の低い方法を選ぶことになります。
- 親族に費用を請求できますか?
法律で負担割合が決まっているわけではないので、請求権があるわけではありません。話し合いになります。総額と内訳を出してから相談するほうがまとまりやすいです。
- 墓じまいをやめて放置したらどうなりますか?
管理料の請求が続きます。滞納が続くと使用許可が取り消され、遺骨は合祀されます。公営霊園なら5年前後かかります。
- 補助金がある自治体はどこですか?
数が限られており、年度で変わります。自分の住所地ではなく、墓のある市区町村の窓口に直接聞くのが確実です。
まとめ
- 補助金はほとんど存在しない。墓のある市区町村に5分で確認できる
- 借りる前に総額を下げる。改葬先を変えるだけで30万〜100万円変わる
- 墓は待てる。1年待って増えるのは管理料の数千円から1万円だけ
- 実家が残っているなら、それが唯一のまとまったお金になる
墓じまいにいくらまで出せるかは、実家がいくらになるかが分からないと決められません。売ると決めていなくても、金額を調べるだけなら無料でできます。

