この記事でわかること
- 0円で譲る場合にかかる費用と税金がわかる
- 相手が見つかりやすい順番がわかる
- 0円のつもりが値段がついたケースがあることがわかる
- 引き渡しで失敗しないための注意点がわかる
もう手放せるなら0円でいい。管理も税金も限界だ。
そう考えている方に、先に2つ伝えます。
0円で譲っても、費用はかかります。 登記費用、書類代、場合によっては税金。合わせて数万円から十数万円です。それでも、持ち続けるより安く済むことがほとんどです。
そしてもう1つ。0円のつもりで相談したら値段がついた、というケースは実際にあります。 「どうせ売れない」と思い込んで無償で手放し、後から相場を知って後悔する方がいます。
手放すと決めていても、いくらになるかだけは先に確かめてください。確かめるのに費用はかかりません。
0円で渡す前に、有償で売れないかを確かめてください。費用を払う側に回るかどうかが変わります。

まず金額を確かめる理由
自分の家に値がつかないと判断する材料を、持っている方はほとんどいません。
値がつくことがあるのは、次のような場合です。
- 隣地の所有者にとって価値がある(接道が改善する、土地が広がる)
- 更地にすれば需要がある立地
- 建物は古いが土地の形と広さがいい
- 移住や二拠点生活の需要がある地域
- 資材置き場、駐車場としての需要がある
一般的な仲介会社が「難しい」と言っても、それは自社では扱えないという意味であることが多くあります。0円で手放すのは、複数社に確認してからでも遅くありません。
0円で譲る場合にかかる費用
無償だから0円で済む、とはなりません。
| 費目 | 誰が負担するか | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 所有権移転登記の登録免許税 | 通常は受け取る側 | 固定資産評価額の2% |
| 司法書士報酬 | 話し合いで決める | 5万〜10万円 |
| 契約書の作成 | 話し合いで決める | 数万円 |
| 測量・境界確定(必要な場合) | 話し合いで決める | 数十万円 |
| 残置物の処分 | 通常は渡す側 | 数万〜数十万円 |
注意すべきは登録免許税です。売買なら固定資産評価額の2%(土地は軽減措置あり)、相続なら0.4%ですが、贈与も2%です。評価額500万円なら10万円になります。
この負担があるため、「タダならもらう」と言っていた相手が、費用の話で降りることがあります。誰が何を負担するかを先に決めてください。
税金の扱い
受け取る側
個人が個人から無償で不動産をもらうと、贈与税の対象になります。年間110万円の基礎控除を超えた部分に課税されます。
固定資産評価額ではなく相続税評価額で計算されるため、古い家でも土地の評価によっては数十万円の税額になることがあります。
法人が受け取る場合は、法人税の扱いになります。
渡す側
無償なので譲渡所得は生じません。ただし、著しく低い価額で譲渡した場合など、扱いが変わることがあります。
金額が大きくなりそうなら、税理士に確認してください。相手に予想外の税負担が生じると、話が壊れます。
相手が見つかりやすい順番
1 隣地の所有者
もっとも可能性が高い相手です。土地が広がる、接道が改善する、境界の問題が解消する。第三者には価値のない土地でも、隣の人には価値があります。
自分で言いにくければ、不動産会社に打診してもらえます。2 近隣の農家・事業者
資材置き場、駐車場、農機具の保管。用途があれば引き取ってもらえます。3 空き家バンク
自治体が運営する掲載サイトです。0円や低額の物件も登録できます。移住希望者の目に留まる可能性があります。ただし掲載しただけでは動きません。4 空き家の引き取り業者
有償で引き取る業者です。0円ではなく、こちらが費用を払います。数十万円から100万円を超えることもあります。5 個人間のマッチングサイト
0円物件を掲載するサイトがあります。ただし個人間の取引はトラブルになりやすく、契約書と登記を専門家に任せることを強くおすすめします。
タダで渡すつもりの家に値がつくことがあります。査定は無料なので、決める前に一度確かめてください。

引き渡しで失敗しないために
無償だからと簡単に済ませると、後で問題になります。
所有権移転登記を必ず完了させる
登記が済むまで、あなたは所有者のままです。固定資産税の納税義務も、建物が倒壊したときの責任も残ります。
「引き渡したつもり」で登記していない、というのが最悪の状態です。
契約書を作る
無償でも契約書を作ってください。誰が何を負担するか、いつ引き渡すか、建物の状態をどう了解しているかを書きます。
現状有姿であることを明記する
雨漏り、傾き、シロアリ。分かっている不具合はすべて伝えて、書面に残してください。伝えずに渡すと、あとから責任を問われることがあります。
残置物をどうするか決める
家財を残したまま渡すのか、こちらで処分するのか。曖昧にすると揉めます。
残置物のまま引き渡せるかは空き家は残置物があるまま売れるかにまとめています。
相手が本当に管理できるか確認する
引き取った相手が放置すれば、近隣に迷惑がかかります。地域との関係を考えるなら、相手の意図は確認しておいてください。
持ち続けた場合と比べる
判断の基準はこれです。
持ち続ける10年の総額
=(固定資産税 + 火災保険 + 光熱費 + 草刈り + 管理費)× 10
+ 建物の劣化で将来かかる解体費
年20万円なら10年で200万円。そこに解体費が乗ります。
手放すのにかかる費用がこれを下回るなら、払ってでも手放すほうが合理的です。
そして、放置している間に建物は傷み、勧告を受ければ固定資産税が上がります。時間は味方をしません。
【FAQ】0円で空き家を手放すときのよくある質問
Q. 本当に0円で引き取ってもらえますか。
隣地の所有者や、用途がある相手なら可能性があります。一般的な引き取り業者は有償です。
Q. 自治体に寄付できませんか。
ほとんど受け付けられません。行政側に使う目的がある場合に限られます。
Q. 贈与税は誰が払いますか。
受け取った側です。金額を伝えずに渡すと、後で問題になります。
Q. 建物を壊してから渡したほうがいいですか。
解体費が数百万円かかることがあります。また更地にすると住宅用地の特例が外れ、税金が上がります。壊す前に判断してください。
Q. 相続放棄のほうが早くないですか。
放棄すれば所有者ではなくなりますが、預貯金など他の財産もすべて受け取れません。期限も3ヶ月です。詳しくは相続放棄は家だけできるかにあります。
まとめ
- 0円で譲っても登記費用と税金がかかる。誰が負担するかを先に決める
- 受け取る側に贈与税がかかることがある。伝えずに進めると話が壊れる
- 0円のつもりが値段がつくことがある。手放す前に金額を確かめる
- 相手が見つかりやすいのは、隣地の所有者と近隣の事業者
- 登記が済むまで所有者は自分。 引き渡したつもりが最も危ない
まず、複数社に査定を出してください。0円で手放すと決めていても、確かめるのに費用はかかりません。
そのうえで、持ち続けた場合の10年の総額を計算する。その金額が、いくらまで払って手放す価値があるかの基準になります。
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登記費用を自分で負担する前に、買主がつかないかを調べておいてください。まとめて査定を出せます。

