この記事でわかること
- 墓じまいを勝手にされた場合に法律上どうなるか
- 取り返せるものと、取り返せないもの
- 遺骨の行き先を確認する方法
- 自分が進める側の場合に気をつけること
知らないうちに墓が片付けられていた。何も聞いていない。
先に事実を分けます。
墓の使用者は、他の親族の同意なく返還を決められます。同意を求める法律上の規定がないので、勝手にされたこと自体を違法とは言えません。
ただし、取り返せるかどうかは別の話です。合祀されていれば遺骨は戻りません。ここだけは急いで確認してください。
墓じまいを勝手にされたときに取り返せるもの
| 対象 | 取り返せるか |
|---|---|
| 遺骨(個別安置の場合) | 可能なことがあります |
| 遺骨(合祀された場合) | 取り出せません |
| 墓石 | 撤去済みなら戻りません |
| 支払った費用 | 請求権はありません |
| 経緯の説明 | 求められます |
判断が分かれるのは1行目だけです。まず改葬先と、合祀か個別安置かを確認してください。

墓じまいを勝手にされたときに最初にすること
どこに納めたのかを名義人に確認します
個別安置なら、期間内は取り出せる場合があります
契約内容と、遺骨の状態を聞きます
いつ誰から何を聞いたかを書き留めます
他の方の遺骨と一緒に納められるため、あとから個別に取り出すことができません。急ぐのはこの確認だけで、他は後からでも間に合います。合祀と個別安置の違いは墓じまい後の永代供養と合祀にまとめました。
なぜ勝手に進められてしまうのか?
法律上の理由と、実務上の理由があります。
墓は相続財産と別の扱いで、民法897条により祭祀を主宰すべき者が承継します。承継した人が墓地の使用者となり、返還も改葬もその人の判断で進められます。
出典:民法|e-Gov法令検索
役所の手続きでも親族の同意書は求められません。改葬許可に必要なのは埋葬証明と受入証明だけです。つまり誰も止める仕組みがないまま進みます。
必要書類の一覧は墓じまいの書類に書きました。
勝手にされた側が求められること
法的に取り消しを求めるのは難しくても、話し合いで得られるものはあります。
- 経緯の説明
いつ決めて、なぜ知らせなかったのかを聞きます
- 改葬先への参拝
永代供養墓であれば、いつでもお参りできます
- 分骨の相談
個別安置なら、一部を分けてもらえる場合があります
- 位牌や遺影の共有
手元供養に切り替える方法があります
分骨と手元供養は墓じまい後の手元供養にまとめました。
自分が進める側の場合に気をつけること
同意が要らないからといって、伝えずに進めると関係が戻りません。
とくに合祀は取り消せないので、あとから責められても対応できません。連絡する範囲は墓じまいを親戚に連絡する範囲に、記録の残し方は墓じまいの同意書の書き方にまとめました。
反対されている場合でも、押し切る前にできる折衷案があります。墓じまいを反対されたときに書きました。
墓じまいを勝手にされたときのよくある質問
- 訴えることはできますか?
法律上の同意が要件でないため、返還そのものを争うのは難しいです。事情によるので弁護士に相談してください。
- 費用を請求されました。払う義務はありますか?
法的な支払い義務はありません。話し合いで決めることになります。
- 遺骨の一部だけでも返してもらえますか?
個別安置なら相談できます。合祀後は取り出せません。
- どこに相談すればいいですか?
まず改葬先の施設です。親族間の争いになった場合の判断は別記事にまとめました。
まとめ
- 墓の使用者は他の親族の同意なく返還を決められる。止める仕組みがない
- 急ぐのは合祀か個別安置かの確認だけ。合祀は取り消せない
- 取り返せなくても、経緯の説明・参拝・分骨の相談はできる
- 進める側は、同意が不要でも伝える。伝えないと関係が戻らない
墓じまいをする方は同時に実家じまいを検討することも多いです。お墓の撤去費用をいくらまで出せるかを決めるには、先に、今実家を売るとすればいくらになるのかを知っておくと良いです。売ると決めていなくても、金額を調べるだけなら無料でできます。

