この記事でわかること
- 墓じまいの前に名義変更が要る場合
- 名義変更に必要な書類と費用
- 名義変更をせずに済む場合があるか
- 名義変更のあと、すぐ返還できるか
墓を返すだけなのに名義変更が必要だと言われた。手間をかける意味があるのか?
先に結論を書きます。
返還の届出は、使用者本人が出すのが原則です。名義が亡くなった親のままだと、あなたには届出の資格がありません。だから先に名義変更が要ります。
名義変更は承継の届出とも呼ばれます。相続登記とは別の手続きで、法務局ではなく霊園の管理者に出します。
墓じまいで名義変更が必要になる場合
| 状況 | 名義変更 |
|---|---|
| 名義人が亡くなっている | 必要です |
| 名義人が存命だが判断できない状態 | 管理事務所に相談します |
| 名義人が存命で本人が手続きする | 不要です |
| 名義人が存命だが遠方で動けない | 委任状で足りることがあります |
3つ目と4つ目は名義変更を挟まずに進められます。親が生きているうちに墓じまいを済ませると、この手続きが要りません。

墓じまいの名義変更に必要な書類
自治体ごとに違いますが、基本はこの4つです。
- 承継使用申請書
霊園の様式です。管理事務所でもらうか、自治体のサイトからダウンロードします
- 使用許可証
紛失していれば再交付の手続きをします
- 戸籍謄本
前の使用者が亡くなったことと、申請者との関係を示します
- 申請者の住民票
現住所の確認に使われます
八王子市は承継の申請に戸籍謄本と住民票、使用券の再交付手数料200円を求めています。金沢市は墓地返還届に使用証または承継承認証の添付が必要です。霊園ごとの必要書類は霊園から探すにまとめました。
2024年3月から広域交付が始まり、本籍地以外の市区町村でも請求できます。ただし請求できる範囲に制限があるので、窓口で確認してください。
墓じまいの名義変更に期限がある自治体
期限を設けている自治体があります。
八王子市は、承継の申請を使用者が亡くなった日から2年以内としています。過ぎてしまった場合の扱いは自治体の判断になるので、気づいた時点で管理事務所に相談してください。
期限があること自体が、墓じまいを先延ばしにできない理由のひとつです。動くきっかけの整理は墓じまいはいつするのがいいかに書きました。
名義変更のあと、すぐ返還できるか
できます。承継してから何年か使い続けなければならない、という決まりはありません。
名義が自分に移ります
受入証明と埋葬証明を集め、改葬許可を申請します
石材店に発注します
更地になってから管理事務所へ提出します
順番として承継が先になるだけで、余計な期間は発生しません。全体の流れは墓じまいの流れにまとめました。
名義変更を誰にするか
承継できる人の範囲を、霊園の規則で定めていることがあります。都立霊園は使用者の親族または縁故者とされています。
親族の中で誰にするかは、民法897条により慣習に従って祭祀を主宰すべき者が承継します。実際には、手続きを進める人が名義を受けるのが早い形です。兄弟で決まらない場合の進め方は墓じまいで兄弟とトラブルになったときに書きました。
墓じまいの名義変更でよくある質問
- 名義変更に費用はかかりますか?
無料の自治体もあります。八王子市は使用券の再交付手数料が200円です。
- 相続登記と同じ手続きですか?
違います。墓は相続財産と別で、届出先も法務局ではなく霊園の管理者です。
- 名義を長男以外にできますか?
できます。長男でなければならないという規定はありません。
- 名義変更を郵送でできますか?
対応している自治体があります。札幌市は返還も改葬も郵送でできます。
まとめ
- 返還の届出は使用者本人が出す。名義が故人のままだと先に名義変更が要る
- 必要なのは承継使用申請書、使用許可証、戸籍謄本、住民票が基本
- 八王子市のように死亡日から2年以内という期限を設けた自治体がある
- 承継してすぐ返還できる。余計な期間は発生しない
墓じまいをする方は同時に実家じまいを検討することも多いです。お墓の撤去費用をいくらまで出せるかを決めるには、先に、今実家を売るとすればいくらになるのかを知っておくと良いです。売ると決めていなくても、金額を調べるだけなら無料でできます。

