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誰も住んでない実家の税金が上がったのはなぜ?勧告と住宅用地特例の関係

誰も住んでない実家の税金が上がったのはなぜ?勧告と住宅用地特例の関係
目次

この記事でわかること

  • 誰も住んでいない実家の固定資産税が上がる仕組みがわかる
  • 上がるのは「空き家だから」ではなく、勧告を受けたからだとわかる
  • 通知が来てから実際に上がるまでの時間がわかる
  • 上がる前に止める方法と、上がってしまったあとの選択肢がわかる

去年より固定資産税の通知書の金額が明らかに増えている。誰も住んでいない実家なのに、なぜ上がるのか。

先に仕組みだけ言います。

上がったのは、空き家だからではありません。市区町村から「勧告」を受けたからです。

住宅が建っている土地には、固定資産税を大幅に安くする特例があります。この特例が、勧告を受けた時点で外れます。外れると、土地の税額はそれまでの最大で6倍になります。

そして重要なのは、勧告の前に必ず「助言・指導」という段階があることです。そこで対応していれば、上がりませんでした。

いま上がってしまっているなら、まず何が起きたのかを確認するところから始めてください。

税金が上がった理由が分かっても、払い続けるかどうかは別の判断です。いま手放すといくらになるかを知っておくと、比べられます。

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なぜ税金が安くなっていたのか

土地の固定資産税には、住宅用地の特例があります。住宅が建っている土地は、課税のもとになる評価額が下がる仕組みです。

区分面積固定資産税の課税標準
小規模住宅用地200平方メートルまでの部分6分の1
一般住宅用地200平方メートルを超える部分3分の1

親が住んでいた家がそのまま建っているなら、誰も住んでいなくても、この特例は原則として続きます。

つまり、空き家になっただけでは税金は上がりません。ここを誤解している方が非常に多いところです。

上がる引き金は「勧告」

特例が外れるのは、市区町村から勧告を受けたときです。

空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづき、市区町村は問題のある空き家を指定できます。指定には2段階あります。

区分どんな状態か
特定空家等倒壊の危険がある、衛生上有害、著しく景観を損なうなど、すでに深刻な状態
管理不全空家等このまま放置すると特定空家になるおそれがある状態

このうち「管理不全空家等」は、2023年12月13日施行の改正で新しく加わったものです。

改正前は、かなり傷んでいなければ対象になりませんでした。改正後は、その手前の段階でも対象になります。窓が割れている、屋根材が浮いている、雑草が繁茂して隣地に及んでいる、といった状態が該当し得ます。

参考:空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索

そして、どちらの区分であっても、勧告を受けると住宅用地の特例が外れます。

実際にはいつから上がるのか

固定資産税は、その年の1月1日時点の状況で決まります。

つまり、こういう順番になります。

時期起きること
ある年の途中市区町村から勧告を受ける
翌年の1月1日特例が外れた状態で課税対象が確定する
翌年の春上がった金額の納税通知書が届く

勧告を受けてから通知書が届くまで、半年から1年以上あきます。そのため、通知書を見た時点では、なぜ上がったのか心当たりがないことがよくあります。

もし急に上がっているなら、去年のうちに市区町村から書面が届いていないかを確認してください。

勧告の前に必ず段階がある

いきなり勧告が来ることはありません。手順は法律で決まっています。

  1. 助言・指導 … 状態を改善するよう求められる。この時点では税金は上がらない
  2. 勧告 … 期限を切って改善を求められる。ここで特例が外れる
  3. 命令 … 従わない場合。過料の対象になる
  4. 代執行 … 行政が撤去などを行い、費用を所有者に請求する

1の助言・指導で対応していれば、上がりませんでした。

実家が遠方だったり、郵便物が転送されずに実家に届いていたりすると、この書面に気づかないまま次の段階に進んでしまいます。空き家の郵便物をどうしているかは、一度確認したほうがいいところです。

どのくらい上がるのか

小規模住宅用地なら課税標準が6分の1だったものが、そのまま評価額に戻ります。名目上は6倍です。

ただし、実際の税額がきれいに6倍になるとは限りません。負担調整措置という段階的に調整する仕組みがあり、地域や土地の評価によって変わるためです。

それでも、年間数万円だった土地の税額が、十数万円から数十万円になることは珍しくありません。都市計画税がかかる地域では、そちらの特例も同時に外れます。

正確な金額は、実家のある市区町村の税務課で確認できます。「勧告を受けた場合、この土地の税額がいくらになるか」と聞けば教えてもらえます。

直して持ち続けるか、手放すか。決めるには金額が要ります。査定も活用の相談も無料です。

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上がる前に止める方法

まだ助言・指導の段階なら、間に合います。

指摘された箇所を直す

草を刈る、割れた窓をふさぐ、崩れかけた塀を撤去する。指導書に何を直すよう書かれているかを確認して、対応した旨を市区町村へ連絡してください。改善が確認されれば、勧告には進みません。

管理を委託する

遠方で自分では通えない場合、空き家管理サービスを使う方法があります。月に1回の見回り、通風、草刈りなどを代行するもので、費用は月数千円からです。

解体する

建物を壊せば、そもそも住宅用地ではなくなるため特例は外れます。つまり税金は上がります。ただし、建物の固定資産税がなくなり、管理の手間と倒壊のリスクも消えます。自治体によっては解体費用の補助金があります。

売却する

所有権が移れば、以降の負担はなくなります。傷んだ家でも買い取る業者はあります。

すでに上がってしまった場合

翌年以降の税額を戻すことはできます。

勧告の内容に対応して、勧告を解除してもらう

指摘された状態を改善すれば、勧告が撤回されることがあります。撤回されれば、翌年の1月1日時点で特例が復活します。

ただし、その年の分は戻りません。 1月1日時点の状況で確定しているためです。

手放す

改善にかかる費用と、上がった税金を払い続ける年数を比べてください。実家を持ち続けるコストは、税金だけではありません。火災保険、電気の基本料金、草刈り、遠方なら交通費。これらが毎年かかります。

売却額がつかない土地でも、引き取り手を探す方法はあります。

誰も住んでいない実家にかかり続けるもの

税金の話をしてきましたが、実際の負担はこれだけではありません。

費目目安
固定資産税・都市計画税特例が外れると数倍
火災保険誰も住んでいない場合、保険料が上がるか加入できないことがある
電気・水道の基本料金止めると管理ができなくなるため、残す人が多い
草刈り・管理自分で通うか、委託するか
建物の劣化換気されないと傷みが早く、売却額が下がる

放置している年数が長いほど、この総額は増えていきます。そして建物が傷むほど、売れる金額は下がります。

【FAQ】空き家の固定資産税についてよくある質問

Q. 空き家というだけで税金は上がりますか。

上がりません。住宅が建っていれば住宅用地の特例は続きます。勧告を受けたときに外れます。

Q. 勧告の書面が届いていない気がします。

実家の住所に送られている可能性があります。郵便物の転送手続きをしていないと、届いていても気づけません。市区町村の担当課に電話して、これまでの経緯を確認してください。

Q. 管理不全空家の基準は全国共通ですか。

法律で枠組みが定められ、国が指針を示していますが、実際の判断は市区町村が行います。基準の運用には地域差があります。

Q. 兄弟の共有名義です。誰に通知が来ますか。

代表者として登録されている人に届きます。ほかの共有者が知らないまま話が進んでいることがあるので、通知の有無を共有してください。

Q. 相続登記をしていません。それでも通知は来ますか。

来ます。登記が親の名義のままでも、市区町村は現在の相続人を調べて通知します。なお相続登記は義務化されています。

まとめ

  • 誰も住んでいないだけでは税金は上がらない。上がるのは勧告を受けたとき
  • 特例が外れると、土地の課税標準が6分の1から元に戻る。名目上は6倍
  • 勧告の前に助言・指導の段階がある。そこで対応すれば上がらない
  • 実際に上がるのは翌年の1月1日から。通知書が届くのはさらにそのあと
  • 改善して勧告が解除されれば、翌年から戻る。ただしその年の分は戻らない

まず、市区町村の担当課に電話して、これまでにどの書面が送られているかを確認してください。助言・指導の段階なら、まだ間に合います。

そのうえで、直して持ち続けるか、手放すかを判断することになります。持ち続ける場合にかかり続ける金額と、いま手放した場合の金額を並べてから決めてください。

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この記事を書いた人

「実家じまいの手引き」は、親が亡くなったあとの実家をどうするかについて、実際に確認できた事実だけを掲載している個人運営の情報サイトです。

遺品整理の費用と期限、相続放棄で触れてはいけないもの、誰も住まない家にかかり続ける税金、売れない空き家の手放し方。この一連の流れを、時系列に沿ってまとめています。

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