この記事でわかること
- 空き家管理サービスの月額の相場がわかる
- 料金に含まれる作業と、別料金になる作業がわかる
- 依頼先ごとの違いがわかる
- 10年続けた場合の総額が計算できる
遠方の実家が空き家になっていて、自分では通えない。管理サービスがあると聞いたが、いくらかかるのか。
相場を先に出します。
月額5,000〜10,000円が中心です。 年6万〜12万円になります。安いプランなら月3,000円台、手厚いものは月15,000円を超えます。
そして重要なのは、月額に何が含まれているかが業者によってまったく違うことです。同じ「月5,000円」でも、月1回の外観確認だけのところと、室内の通風まで含むところがあります。

月額の相場
| 月額 | よくある内容 |
|---|---|
| 3,000〜5,000円 | 月1回、外観の目視確認と写真報告のみ |
| 5,000〜8,000円 | 月1回、室内の通風・通水、郵便物の確認、簡易清掃 |
| 8,000〜12,000円 | 上記に加えて、簡単な清掃、庭の見回り、報告書の作成 |
| 12,000円〜 | 訪問回数が多い、清掃範囲が広い、緊急対応つき |
外観のみか、室内に入るかが最初の分かれ目です。
室内に入るプランでないと、通風も通水もできません。人が住まない家の劣化は換気不足から始まるので、室内に入らない管理は劣化を止める効果がほとんどありません。
含まれる作業と、別料金になる作業
料金表を見るときに確認してください。
含まれることが多い
- 外観の目視確認(屋根、外壁、雨樋、基礎)
- 室内の通風(窓を開けて空気を入れ替える)
- 通水(蛇口とトイレの水を流す。封水切れによる臭気を防ぐ)
- 郵便物の確認と転送または保管
- 簡易清掃(掃き掃除程度)
- 写真つきの報告
別料金になることが多い
- 草刈り・剪定(1回1万〜5万円)
- 本格的な清掃
- 修繕(雨漏り、建具の破損など)
- 除雪
- 害虫・害獣の駆除
- 残置物の処分
- 緊急時の駆けつけ
とくに草刈りは別料金がほとんどです。月額に含まれていると思い込むと、夏に想定外の請求が来ます。草刈りの費用は空き家の草刈りを業者に頼むと年間いくらかにまとめています。
依頼先ごとの違い
| 依頼先 | 特徴 |
|---|---|
| 空き家管理の専門業者 | 内容が明確。全国対応のところもある |
| 不動産会社 | 将来の売却を前提に無料や低額で受けることがある |
| 警備会社 | 遠隔監視や緊急対応に強い。料金は高め |
| NPO・シルバー人材センター | 安いが、対応範囲が限られる |
| 便利屋 | 柔軟だが、内容と料金の幅が大きい |
不動産会社が管理を受けるケースは、覚えておく価値があります。将来的に売却を任せてもらう前提で、管理料を安く、あるいは無料で引き受けることがあります。売却を視野に入れているなら、まず相談してみる価値があります。
何を確認して選ぶか
見積もりの段階で聞いてください。
- 訪問は月何回か。室内に入るか
- 通風と通水は含まれるか
- 郵便物はどう扱うか(転送、保管、廃棄)
- 報告は写真つきか。どのくらい詳しいか
- 草刈りや修繕は別料金か。単価はいくらか
- 異常を見つけたとき、どこまで対応してくれるか
- 鍵はどう管理するか
- 契約期間と解約の条件
4と6が業者の質を分けます。
写真が3枚だけの報告と、外観と室内を一通り撮った報告では、判断できることがまったく違います。異常を見つけたときに写真つきで連絡が来るかどうかが、実際に困ったときの分かれ目になります。
10年続けた場合の総額
計算してみてください。
管理サービスの総額
= 月額 × 12 × 年数
+ 草刈り(年2〜4回)× 年数
+ 発生した修繕費
月8,000円で年間96,000円。草刈りが年4万円なら、合わせて年136,000円です。
10年で136万円になります。
そこに固定資産税、火災保険、電気と水道の基本料金が加わります。年間20万円を超える家は珍しくありません。
管理費を払い続けても資産は増えません。売却や活用に切り替えた場合の金額も見ておいてください。

管理を入れる意味があるか
管理には、費用に見合う効果があります。
- 換気により劣化が遅くなる。売却時の評価が変わる
- 近隣からの苦情を防げる。行政の手続きに進まない
- 不法投棄や不審者の侵入を早く発見できる
- 台風などの被害を早く把握できる
ただし、管理は劣化を遅らせるだけで、止めることはできません。建物は必ず古くなり、売却額は下がっていきます。
判断はこうなります。
| 状況 | 管理を入れる意味 |
|---|---|
| 数年以内に住む、貸す予定がある | あり。傷ませない価値がある |
| 相続手続きが終わるまでの一時的な期間 | あり。数ヶ月〜1年なら合理的 |
| 売却の準備をしている | あり。売れるまでの間 |
| 予定がなく、何年も持ち続ける | 払い続けても資産は増えない |
いちばん下の場合、管理費を払いながら価値が下がっていくことになります。放置と管理の違いは「傷むのが遅いか早いか」であって、どちらも資産は増えません。
年数ごとに何が起きるかは空き家はいつまで放置していいか、持ち続けた場合の損失は実家を売るのを先延ばしにするといくら損するかにまとめています。
【FAQ】空き家の管理サービスについてよくある質問
Q. 鍵を業者に預けるのが不安です。
鍵の管理方法を契約前に確認してください。キーボックスを設置して番号で管理する方式もあります。作業後に写真で報告があれば、何をしたか確認できます。
Q. 契約期間の縛りはありますか。
1年契約が多く、月単位で解約できるところもあります。売却の見込みがあるなら、解約条件を先に確認してください。
Q. 遠方の物件でも頼めますか。
全国対応の業者があります。ただし地方では対応業者が限られるため、まず地域の不動産会社に相談するのが早いことがあります。
Q. 管理していれば固定資産税は上がりませんか。
管理していれば勧告を受ける可能性が下がるので、結果的に税金が上がるのを防げます。ただし管理そのものが減税になるわけではありません。
Q. 自分で年に数回通うのとどちらが安いですか。
片道2時間以上かかるなら、交通費と有給を考えると管理サービスのほうが安いことが多くあります。
まとめ
- 月額の相場は5,000〜10,000円。年6万〜12万円
- 室内に入るプランでないと、通風も通水もできない
- 草刈りや修繕は別料金がほとんど。単価を先に確認する
- 選ぶ基準は、報告の詳しさと、異常時にどこまで対応するか
- 管理は劣化を遅らせるだけ。予定がないなら払い続けても資産は増えない
まず2〜3社に見積もりを取って、月額に何が含まれるかを揃えて比べてください。同じ月額でも中身が違います。
そのうえで、この費用を何年払うのかを考えてください。売却の予定があるなら、その期間だけ管理を入れるのが合理的です。予定がないなら、いま売るといくらかを先に調べてから決めてください。
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